パッケージの外観
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評価ボード
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 米P.A. Semi社は,PowerアーキテクチャのCPUコアを2個内蔵し,2GHz動作時の消費電力が最大25Wと低い64ビット・マイクロプロセサ「PA6T-1682M」のサンプル出荷を開始した(発表資料)。P.A. Semi社は,かつて米Digital Equipment Corp.で「StrongARM」の設計チームを率いたDan Dobberpuhl氏がパートナーと共に創業した企業。第1弾となる今回の製品の開発には約3年間かけた(関連記事Tech-On!の関連記事)。ネットワーク機器や無線インフラ,ストレージ装置などへの搭載を想定している。

 PA6T-1682Mが備える2個のPowerコアは,それぞれ64Kバイトの命令キャッシュとデータ・キャッシュ,浮動小数点演算ユニット,ベクトル演算ユニットなどを備える。このほか,2Mバイトの2次キャッシュやDDR2インタフェースに対応した2個のDRAMコントローラ回路,TCP/IP処理のアクセラレータ回路,24個のSer/Des回路などを内蔵する。標準の消費電力は5~13Wという。製造には65nm世代のプロセス技術を使う。

 消費電力を削減するために,きめ細かい制御を行えるようにした。具体的にはチップを2万7600に分けて,クロックの供給を遮断するいわゆるゲーテッド・クロックを施す。このほかに,負荷に応じて外部から動作周波数を設定する機能や,チップの温度,プロセス特性,動作条件に応じて,電源電圧を自動調整する機能を組み込んだ。

 Linux,VxWorks,QNX NeutrinoなどのOSが動作する。P.A. Semi社は評価ボードを含む開発キットを提供する。