携帯電話のパケット通信は,ITproの読者のみなさんはどのようにお使いでしょうか。メール,ケータイサイトの閲覧などで多かれ少なかれ,パケット通信を使っていらっしゃることでしょう。そんなとき,「あれ,なかなかつながらないぞ?」と感じたことはないでしょうか。私は,パケット通信がつながらないことが最近増えたように感じています。パケット定額制サービスが広がったことなどで,利用者と通信量は増加しています。このことにインフラ整備が追いついていないことが,局所的なつながりにくさの一つの要因なのだろうと推測しています。

 パケット通信がつながらないと言っても,状況はいろいろあります。サービスエリアの問題や,ビルの高層階,地下の店舗などで電波が圏外の場合は,もちろんパケット通信もつながりません。ただ,そのときは携帯電話のディスプレイには「圏外」の文字が表示されています。圏外は少ないに越したことはないと私は考えますが,現実としてやむを得ない部分があることも承知しています。「圏外」と表示されていれば,通信にトライすることもなく,あきらめがつくというものです。

 納得できないのは,電波強度の目安を示す「アンテナ」マークがしっかりと立っているにもかかわらず,パケット通信がうまく使えないときです。電波が通じていると思っているのに,パケット通信ができない。そんな状況だと,「あれ,おかしいな?」と思って何度かトライすることになりますが,それでもつながらないことが往々にしてあります。地下鉄に乗っているときに,駅に着いたタイミングでメールを送信しようとしても,うまく通信できなかったりすると次の駅までお預けです。また会社のメールをWebメールで見ていて,【緊急】などと書いてあるタイトルのページまでは見えたのに,次の瞬間にはパケット通信がつながらず内容がわからなくてやきもきした経験もあります。

 パケット通信が「今,できる状況なのか?」は電話機のディスプレイ上では分かりません。電波が「ある」ことになっているからWebやメールの操作をしているのに,パケット通信がうまく成立しない事態になると,私はちょっといら立ちます。たまたまタイミングが悪いだけで繰り返しトライすればいいのか,その場所ではパケット通信が何らかの理由でできないので場所を変えるべきなのか。そういった判断の材料が与えられていないからです。

 繁華街の夜の待ち合わせタイムなどで,音声通話がつながらないことは以前にはよくありましたが,これは今ではずいぶんと改善されました。メールがかなり遅れて届くといった問題にも,サーバーの強化などの対策が施されてきました。引き続き,パケット通信も,もっと安定して使えるようにしてもらいたい,と思うわけです。

電子マネーの入金途中でつながらなくなった

 携帯電話にさまざまな機能が搭載され,それが社会インフラになってくると,パケット通信が「つながらない」ことで影響が出る部分も大きくなります。私の経験でも,電子マネーの「Edy」をオンラインでチャージ(入金)しようとして,パケット通信がうまくできないらしく,なかなか入金処理ができなかったことが何度かあります。たまたま支払い直前だったので,スマートにできるはずの会計にかえって時間がかかってしまったわけです。

 また,処理の途中で「エラー」表示を出されると,ことがお金に絡むだけに処理がどこまで進んでいるのか不安を覚えることもあります。チャージ処理中に「通信に失敗しました」といったコメントが表示されたので,てっきり入金できなかったと思ってあきらめたにもかかわらず,後から確認したらチャージが完了していたこともありました。

 携帯電話の付加価値としてパケット通信があると言う時代から,パケット通信をインフラにして各種の社会サービスが動いている時代に突入しています。“今,パケット通信ができるのか?”という心配をすることなく利用できることも,重要なファクタになるのではないでしょうか。パケット通信はベストエフォートのサービスかもしれませんが,利用者にとっては「つながったり,つながらなかったり」レベルのベストエフォートは困りものです。携帯電話事業者のみなさんには,ぜひパケット通信が高い確率で成功するような通信インフラ作りに力を入れてほしいと思います。