概要  
コンピュータが管理するルーティング・テーブルの情報を表示あるいは設定する。ルーティング・テーブルを表示する使い方と,addやdelのオプションを用いてルーティング・テーブルを追加・削除する使い方の2種類に大きく分かれる。これら2種類でオプションは大きく異なり,同時に組み合わせての使用はできない。

 構文  
route [-C|--cache] [-F|--fib] [-v|--verbose] [-n|--numeric] [--extend|-e[--extend|-e]] [-A アドレス・ファミリ|--アドレス・ファミリ]

または

route [-v] [-A アドレス・ファミリ] add [-net|-host] あて先IPアドレス [netmask サブネット・マスク] [gw ゲートウエイIPアドレス] [metric メトリック数] [mss セグメント・サイズ] [window TCPウインドウ・サイズ] [irtt 初期ラウンドトリップ時間] [reject] [mod] [dyn] [reinstate] [[dev] LANインタフェース名]

または

route [-v] [-A アドレス・ファミリ] del [-net|-host] あて先IPアドレス [netmask サブネット・マスク] [gw ゲートウエイIPアドレス] [metric メトリック数] [[dev] LANインタフェース名]

または

route [-V|--version] [-h|--help]


 利用環境  
Red Hat Enterprise Linux ○ (net-tools 1.60にて確認)

 情報を表示させる場合のオプション 
(なし)FIB(フォワーディング・インフォメーション・ベース:静的ルーティング・テーブル)の経路情報を表示する。
-C|--cacheカーネルにキャッシュされた経路情報を表示する。
-F|--fibFIBテーブルの経路情報を表示する。ルーティング・テーブルの情報を表示させるためにrouteコマンドを使う場合はデフォルトで-Fオプションを指定したことになっており,-Cオプションを指定したとき以外はFIBテーブルの経路情報を表示する。なお,-Cオプションと-Fオプションを同時に指定した場合は,-Cオプションが優先される。
-v|--verbose詳細表示モードで実行する。なお,-vオプションはデバッグ・オプションとして受け付けられる(エラーとならない)が,実際の挙動には何も影響しない。
n|--numericホスト名の名前解決をせずにIPアドレスで表示する。
--extend|-e[--extend|-e]netstatコマンドのフォーマットで詳細な情報を表示する。--extend|-eオプションは2回続けて指定することができ,そうすると1回だけ指定したよりもさらに詳細な情報を表示する。
-A アドレス・ファミリ|--アドレス・ファミリアドレス・ファミリを指定する。デフォルトのアドレス・ファミリはinet(IPv4)。inetのほかにinet6(IPv6)やipx(Novell IPX)を指定することができる。

 情報を追加・削除させる場合のオプション 
addルーティング・テーブルにエントリを追加する。
delルーティング・テーブルのエントリを削除する。
-net|-host指定した相手をネットワークとして扱うかホストとして扱うかを指定する。-netオプションも-hostオプションも省略した場合はホストとして扱う。
あて先IPアドレス追加もしくは削除の対象とするネットワークあるいはホストを指定する。
netmask サブネット・マスクエントリで使用されるサブネット・マスクを指定する。-hostオプションとは同時に使用できない。
gw ゲートウエアIPアドレスエントリで使用されるゲートウエイを指定する。ここで指定するゲートウエイに対する経路は,あらかじめ必要となる。
metric メトリック数エントリのメトリック数を指定する。あて先に対し複数のエントリがある場合はメトリックの小さいエントリを使用する。
mss セグメント・サイズエントリでのTCP最大セグメント・サイズをバイト単位で指定する。
window TCPウインドウ・サイズエントリでのTCPウインドウ・サイズをバイト単位で指定する。
irtt 初期ラウンド・トリップ時間エントリでの初期ラウンド・トリップ時間をミリ秒単位で指定する。
reject拒絶したいルーティング経路を追加する場合に指定する。
mod/dyn/reinstateダイナミック・ルーティングなどで使用される診断フラグを指定する。

 その他のオプション 
-V|--versionrouteコマンドのバージョンを表示する。
-h|--helprouteコマンドのヘルプを表示する。


 使用例1:ルーティング情報を表示する(クリックで詳細表示)  
route -en

 使用例2:新しい経路を追加・削除する(クリックで詳細表示)  
route add(delete) あて先IPアドレス netmask サブネット・マスク [gw ゲートウエイIPアドレス] LANインタフェース名

 使用例3:特定のネットワークにルーティングしないように設定する(クリックで詳細表示)  
route add -net あて先IPアドレス netmask サブネット・マスク reject