小田急あんしんグーパスで保護者の携帯電話に配信される電子メールのイメージ

 小田急電鉄は今年春から、子どもが駅の自動改札機を通過した時に、保護者の携帯電話に通過情報を電子メールで配信するサービス「小田急あんしんグーパス」を始める。まず2月15日から3月31日まで、沿線にある成城学園初等学校(東京・世田谷)の児童と保護者を対象に試験サービスを実施。その後の本格サービス開始を目指す。料金は無料で、サービス向上の一環として実施する。

 「沿線の私立小学校の児童約6000人のうち、約4000人が当社の定期券を持っている。この半数にサービスを利用してもらうのが目標」(小田急広報部)

 事前に個人情報や保護者の携帯電話のメールアドレスなどを登録。登録済みの定期券を持つ子どもが自動改札機を通ると、保護者の携帯電話に日時や駅名、入場か出場かという情報を配信する。学校や自宅の最寄り駅以外で下車して「寄り道」をした場合も、保護者に通知されることになる。

 小田急は3月に首都圏共通のICカード乗車券「PASMO(パスモ)」を導入するが、システム上の制約から、当面は従来の磁気式定期券のみでサービスを提供する。

 小田急のサービスは関東では初。一方で、関西のICカード乗車券PiTaPa(ピタパ)では昨年1月から同様のサービス「あんしんグーパス」があり、既に約1500人の会員がいる。阪急電鉄や京阪電気鉄道などPiTaPaに加盟する主要私鉄の駅(約500駅)であれば、鉄道会社を問わず利用できる。関東でも、小田急以外の鉄道会社に同様のサービスが広がる可能性がある。