parallelsで仮想マシン(VM)を作成する
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仮想マシン(VM)の設定一覧
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Mac側からParallels Toolsのインストールを実行
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ParallelsからMacOS側のフォルダにアクセスする
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ネットワークアダプタの設定
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2007年1月30日はWindows Vista(以下Vista)の出荷日だ。今年はマイクロソフト初のデザインツールExpression製品群がリリースされる年でもある。Expression Webは日本語版のベータバージョンもリリースされているのでメインはMacユーザである私も是非Vistaを試してみたいものだ。しかしながら、筆者の仕事環境にはVistaの動作に耐えるスペックを持ちながら、かつ検証用にしても良いマシンがない。それなら外出時たまに携帯するMacBookをVista化すればいい。しかも仕事場に余分なマシンを増やす必要もないので一石二鳥だ。というわけで、今回はまたしても連載の趣旨から外れるが、筆者がMacBookでVista(記事執筆時は発売前なのでインストールしたVistaはRC1)を使えるようになるまでの手順をレポートしたい。

Parallels Desktop for Macをインストール


まずは検証に使ったMacBookのスペックから紹介したい。CPUは2GHzMHzのIntelCore Duo、メモリは2GB搭載している黒いタイプだ。ここにプロトンが提供するParallels Desktop for Mac日本語版(以下Parallels)をインストールする。このソフトウエアはIntelMac上にバーチャルマシン(以下VM)を生成するものだ。複数のVMを別ウィンドウで同時に起動することも可能で、MacOSとWindowsの切り替えも再起動無しでできる。しかも全画面モードでバーチャルマシンを表示すれば、Macは立派なWindows専用機になる。

Vistaをインストール

Parallelsをインストール後、新規VMを生成するウィザードを実行する。この過程で別OSをMacにインストールするのだ。別途入手したVistaの評価版RC1のインストールを試みる。しかしWindows XPが検出できないとインストールは実行できないという趣旨のアラートが出た。ならばと先にそちらを入れることに。20分ほどでWindows XPのVMができあがった。VM上のXPにVistaを上書きするという方法がよく分からなかったので、とりあえず新規VMを再度作成し、Vistaのインストールを試みる。すると今度は問題なくインストールが完了できた。しかもXPとVistaは独立したVMとして両方利用可能な状態になった。

インターネットに接続する


Vistaでウェブサイトを閲覧するべく、インターネットの接続を試みる。デフォルトの状態ではネットワークアダプタが見つからないためインターネットに接続できませんでした。と言われてしまう。そこでいったんVistaを終了し、MacOSに戻ってParallelsのVMの設定を編集することにした。「ネットワークアダプタ」の項目を開いて「エミュレーション」の「共有ネットワーク」をオンにすると、MacOSとネットワークの共有が可能になり、問題なくサイトが閲覧できた。もし同じことを試した方で、「共有ネットワーク」の選択肢がparallelsに無かった方は、プロトンのサイトから最新版のアップデータを入手し、アップデート後に再度挑戦してほしい。

Macとファイルを共有する

正式にこの環境を活用する場合、MacOS側に保存したデータはVM上のOSともスムーズに交換できる機能が必要だ。例えばMacOS上でグラフィックデザインを行い、Windows環境でWebページにオーサリングするような使い方をしてみたいではないか。Parallelsには両OSのファイルを簡単に共有できる機能が付いている。VMの実行中に、Parallelsの「VM」メニューから「Parallels Toolのインストール」を起動すると、VM側のOS上で必要なツールのインストールが開始される。インストール終了後はVM側のデスクトップに共有ファイルにアクセスするためのアイコンが表れる。ここからMacOS側のディレクトリにアクセスできる。

キー操作をMacの形式に合わせる

これだけスムーズに異なるOS間を行き来できるようになると、以外にネックとなるのはキーボード操作だ。当然のことながらMacOSとWindowsでは主要なキー操作に違いがある。例えば日本語と英語の入力切り替えはMacOSの場合コマンドキーとスペースキーの同時押しで行う。また、コピーペーストなどのショートカットに活用するキーも微妙に異なる。OS同士の切り替えがスムーズなぶん、こちらの頭の切り替えがついて行けず、タイプミスの連続が発生する。これは多大なストレスだ。
そこでParallels上で実行するWindowsのキー操作をMacOSと統一してくれるトリニティワークスのAppleK for Parallelsを導入した。この製品は正式版のリリースはまだ未定だが、近々ベータ版の公開を予定している。VMでないWindows上で動作するAppleK ProのVista版「AppleK Pro for Vista 32bit」は、2月上旬にベータ版がリリースされる見通しだそうだ。これでMacOSとVistaのキー操作が統一できた。Vistaでアプリケーションを操作するときのスピードも格段に向上できた。

Webページ編集くらいなら十分使える

Vistaは「コントロールパネル」の「システムとメンテナンス」項目に、「Windowsエクスペリエンスインデックス総合スコア」という機能がついており、Windowsむけハードを使用していればこの評価機能が使用できる。これでWPFコンテンツの動作などにハードがどれだけ対応しているのかを確認できるのだが、ParallelsのVMでこの機能は使えなかった。また、Windowsエアロのような派手な効果も使えず、半透明のウィンドウも確認できなかった。これではExpression BlendでWPFアプリをバリバリデザインするというわけにはいくまい・・・。とはいうものの、Microsoft Expression Webを使ってページ編集くらいは可能で、InternetExplorer7でサイトの閲覧などもスムーズにできる。というわけで、ウェブページのレンダリング結果検証などには十分使えるのではないだろうか。