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電子行政:DATAで見る電子自治体の弱点2006-07

第2回 住民向けオンラインシステムの費用対効果

電子認証の有無で大きく異なる費用

2007/02/07 日経BPガバメントテクノロジー

石堂氏写真 筆者紹介 石堂 一成(いしどう・かずしげ)

1948年生まれ。京都大学工学部数理工学科卒業。工学博士、技術士(情報処理部門)。三菱重工業、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、1991年に東京コンサルティング(株)を設立し、代表取締役社長に就任。日本国内、欧米、東南アジアで、事業戦略・マーケティング戦略・提携戦略・システム戦略・業務改革・組織改革などのコンサルティングに従事。システム分野には特別に注力し、日本経済新聞社などと国内主要企業の「システム格付け」を実施したほか、2005年から日経BPガバメントテクノロジーと自治体の「システム格付け」を実施している。2003年に外務省CIO補佐官にも就任(現任)。著作は、「オープン時代の情報システム」(共著、富士通経営研修所)など。

 日経BPガバメントテクノロジーと東京コンサルティングが昨年実施した「第2回自治体の情報システムに関する実態調査」の結果から、住民向けオンラインシステムの費用対効果に関して分析してみた。果たして自治体の導入したオンラインシステムと、それを使って提供しているサービスは、住民に十分活用されているのだろうか。

 まず、窓口サービスのオンライン化率(注1)を見てみよう。最も高いのが「施設予約」で、42.4%に達している。次いで、「電子申請・届出(公的個人認証なし)」が41.4%、「電子申請・届出(公的個人認証あり)」35.7%、「電子入札/調達」24.3%、「電子申告」8.4%と続いている。

(注1)オンライン化の有無について回答した自治体のうち、「オンライン化済み」と回答した自治体の比率

■オンラインシステムの利用状況、施設予約以外は低調

 続いて、こうしたオンライン化したサービスの利用率(注2)を見てみたい(図1)。まず、体育館や会議室などの予約ができる「施設予約」は、オンライン利用率が89.1%に達する。しかし施設予約は突出しており、これを除いたオンラインサービスの利用率はすべて5割を切っている。

 施設予約以外のサービスの中では、「電子入札/調達」が34.4%と健闘しているものの、このほかの利用率は大きく下がる。「電子申請・届出(公的個人認証なし)」が9.1%、「電子申請・届出(公的個人認証あり)」で1.1%、「電子申告」で0.1%と、極めて低い利用率に留まっている。

(注2)オンライン化の有無について回答した自治体のうち、「オンライン化済み」と回答した自治体の比率

■図1 オンラインサービスの利用率
オンラインサービスの利用率

■電子認証ありはシステム費用が高い

 次にオンライン利用1件当たりの費用を見ると、電子認証の有無によって大きく異なっていることが分かる(図2)

■図2 オンラインサービスの1件当たり費用
オンラインサービスの1件当たり費用

 電子認証の不要な「施設予約」「電子申請・届出(公的個人認証なし)」は、1件当たりの費用がそれぞれ123円、1218円と比較的安価である。これに対して、電子認証の必要なサービスは、「電子入札/調達」2万5510円、「電子申請・届出(公的個人認証あり)」4万1360円と1万円を超えている。「電子申告」に至っては80万2394円と、極めて高い費用がかかっている。ちなみに、公的個人認証付きの電子申請・届出では、利用件数が年間20件以下で1件当たりの費用が100万円を超える自治体が過半数を占めている。

 このように、オンラインサービス全般で見た場合、十分な導入効果はあがっていないようである。24時間利用は技術的には可能になったものの、従来の手続きが大きく改善されているとは言い難い。情報キオスクにより、住民票などの交付時窓口受け付けを不要にしている自治体は10.5%にとどまる。結果として、「窓口サービスについて利用者(住民・事業者など)の満足度の向上」を達成できたと回答した自治体は、18.7%にとどまっている。

 利用率の低い要因としては、オンラインサービス自体の利便性の低さ・認知度の低さが考えられる。例えば、利用促進の阻害要因として、「住基カード・電子認証の取得など、ユーザの事前準備の負担」を挙げる自治体が72.9%、「オンラインだけで手続きが完結しない不便さ」が71.4%に上り、「認知度の低さ」については39.8%に達する。

 この背景には、住民視点でのサービス向上策・利用促進策が不足していることが考えられる。例えば、全住民のうちシステム化・オンライン化の主たる受益者・メリットの明確化、利用者拡大のためのPR方法・インセンティブの体系的検討などが有効だと思われる。(連載第4回「住民指向」で詳細を掲載予定)。

 他方、高コストの要因としては、システムの購入・構築費用自体が極めて高額になっているケースと、そもそも窓口も含めたサービス利用の絶対数が少な過ぎるため、仮にオンライン利用率が高くても高コストになってしまいかねないケース(注3)がある。

(注3)例えば、電子申請・届出(公的個人認証あり)で利用率100%の自治体は10団体あったが、すべて総利用件数が年間10件以下。

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