中堅・中小企業の業務アプリ利用実態(5)
|
![]() |
| 図1●財務管理のパッケージ比率(上)とパッケージの製品別シェア(Nは有効回答数) |
パッケージのシェアは,トップがOBCの「勘定奉行」の25.5%で,2位以下を大きく引き離している。2位は弥生の「弥生会計」で12.5%,3位がPCAの「PCA会計」で12.3%だった。
「奉行シリーズ」という強力なブランドイメージ,網羅的な販売網を確保するOBCは相変わらず強い。続く2社もブランドの知名度としては決して引けをとらないが,「勘定奉行」の牙城をなかなか崩せない。評価を見ると,各製品間に大差はないがやはりシェアトップの「勘定奉行」が73.7ポイントで評価もトップ。「弥生会計」が73.2ポイント,「PCA会計」73.1ポイントで続いている(図2)。
![]() |
| 図2●財務管理パッケージのシェアと評価 |
続いて企業の年商規模別に見てみると,年商50億円未満ではトップが「勘定奉行」で26.3%,2位が「弥生会計」で15.9%,3位が「PCA会計」で11.2%だった。年商50億円未満の企業では,「自社製オーダーシステム」の割合は10%を切っており,パッケージの普及率の高さが示されている。一方,年商50億円以上の企業では,シェアトップが「勘定奉行」で16.8%,2位が「PCA会計」で9.0%,3位がミロク情報サービスの「財務大将」で6.8%だった(図3)。
![]() |
| 図3●財務管理パッケージのシェア (年商50億円未満,Nは有効回答数) |
「勘定奉行」は,年商規模が50億円未満の企業でさらに強さが目立つ。OBCはERP(統合業務パッケージ)の販売でも,年商50億円未満の企業をメインターゲットに設定して販売活動を展開しており,その最初のステップとして「勘定奉行」が導入されるパターンが多いようだ(ただし,同社製ERPの導入が進んでいるかどうかは疑問)。一方,「弥生会計」は50億円未満の企業で,「PCA会計」は50億円以上の企業で,全体平均より高いシェアを確保している(図4)。
![]() |
| 図4●財務管理パッケージのシェア (年商50億円以上,Nは有効回答数) |
今度の予定では,自社製のオーダーシステムではなく,パッケージを選択するという企業の割合が9割に達している。導入予定シェアは,トップが「勘定奉行」で28.2%,2位が「弥生会計」で13.7%,3位が大塚商会の「SMILEα財務管理」で12.8%だった(図5)。ここで3番手に大塚商会の「SMILEα財務管理」が入ってきている。
![]() |
| 図5●今後の財務管理パッケージ導入比率(上)と導入予定シェア(Nは有効回答数) |
財務管理パッケージの市場は,大勢としてはOBCの「勘定奉行」メインで推移するだろう。しかし,パッケージ単体としてはOBCと弥生,ERPやシステム・インテグレーションとの組み合わせでは大塚商会という上位3社による微妙な住み分けは,今後も継続しそうだ。
次回は,販売管理のアプリケーションを取り上げる。
なお回答企業プロフィールなどの調査概要については,こちらをご覧ください。
|
■伊嶋 謙二 (いしま けんじ) 【略歴】 ノークリサーチ代表。大手市場調査会社を経て98年に独立し,ノークリサーチを設立。IT市場に特化した調査,コンサルティングを展開。特に中堅・中小企業市場の分析を得意としている。 |