第36回 画面設計書を書くための手法とツール画面設計書について,前回に引き続き,それを書くツールや手法について考えてみましょう。 画面設計書の基本まずは,画面設計書の中にあるべき情報から見てみましょう。これらすべてがそろっていなければならない,というわけではありませんが,望ましいのではないかと私自身は考えています。
次に,こうした要素を記述する「ツール」に求められる機能を考えてみましょう。下図は,効率よくドキュメントを生成して行くために必要と思われるものです。
画面設計書を作成するために必要な機能
では次に,これらの機能を有したツールや手法を見てみましょう。 ●Microsoft ExcelまずはExcelを用いた例です。Excelを使うメリットは,ほぼ誰もが持っている,「シート」によって階層的な複数ページが記述できる,表形式の資料作成は操作に慣れていることが多い,といったところでしょうか。 下図は,私的Flash技術共有セミナー「F-site」主催のSIHO氏が公開しているノウハウです。Excelのカラムをグリッド(格子状の配置基盤)に見立ててUI部品を配置し,「Note(注意書き)」を記しています。 実際のExcelファイルも公開しているので,ぜひダウンロードしてみてください。 ●Microsoft Visio+GUUUI Prototyping ToolVisio 2003を使う場合には,便利な「部品テンプレート」が公開されています。元々,Visioは「ステンシル(部品)」を貼り付けていくことで,“均一”な図を効率よく描画できるようにするツールです。この「GUUUI Prototyping Tool for Visio 2003」のようなステンシルがもっと充実していけば,Webサイト構築に必要な標準UI部品を効率よく組み合わせ,構築できるようになるでしょう。
Visio+GUUUI Prototyping Toolで作成する場合 Visioはネットワーク構成図を描く機能も充実しており,下記のページには各種ハードウエア・ベンダーなどが無料提供しているステンシルがまとまっています。画面設計書だけでなく,こうしたものも付け加えると,クライアントの信頼を増す資料を作りやすくなるかもしれません。 ●Adobe製品:Illustrator+InDesign+DBパレット少々複雑なフローになってしまうので,万人にお薦めできないかもしれませんが,Adobe製品を活用した以下のような方法もあります。 基本的な図は,Illustratorで作成します。その際,Visioのステンシルにあたるものとして,DBパレットを活用します。自作の「部品」をいくらでも登録して再利用できるので,均一な絵を生産するのが非常に楽になります。 できあがった「絵」は,Illustratorネイティブ(拡張子は「.ai」)のファイル形式ではなく,PDFとして保存します。こうすることで,単体でこの絵を使いたいときにすぐに送ったりできるようにするためです。そして,それらのPDFを,InDesignでドキュメント化していきます。設計書としてのヘッダーやフッターはInDesignで作成し,適切な書式設定をしてやれば,目次作成も容易にできます。 同じ絵を,別のドキュメントに貼り付けることも容易です。しかも,InDesignは,配置されたファイルに修正が発生した場合,それを通知する仕組みを持っているので,素材としての「絵」を更新していくことも可能です。
Illustrator+InDesign+DBパレットで作成する場合 この方法は,絵を一枚づつ個別ファイルにしていくので,管理すべきファイル数はかなり増えます。絵を体系的にまとめなくてはならないため管理コストは上がるのですが,一つひとつの絵を再利用できることから,全体としてのコストは比較的下がります。私自身は,最近ではこの方法に頼ることが多くなっています。 ▼まとめもちろん,画面設計書を記述するには,PowerPointやWordを用いる場合も多いでしょう。変わったものでは,DENIMのような,手描きのラフスケッチを設計書にしてしまうものもあります。 しかしポイントは,こうしたドキュメントは,企画サイドと実装サイドの間の指示書であり,制作サイドとクライアントの間の一種の議事録のようなものだということです。つまり,「配布・修正・管理」という側面が大切になるのです。
画面設計書の想定すべきプロセス どのツールが優れているかは,プロジェクト・チームに依存します。どういった指示を残せば効率よく開発作業が進むのか。そういった点を含めて,開発作業の狭間などで立ち止まって考えてみるのも,長く良いWebサイトを開発していくためには必要なプロセスだと思います。
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