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写真1●神奈川県警の入り口 神奈川県警察本部は地上20階建ての巨大ビル。小型のデジカメでは建物全体が入らない。 [画像のクリックで拡大表示] |
タクシーで,バスで,あるいは自分の愛車で…自動車に乗って街中を走ることはよくあるだろう。そんなとき,事故に遭わない程度に周りをきょろきょろ見回してみよう。道路上に「ここから○○まで約20分」とか「渋滞○km」とか表示されている電光掲示板がいくつもあるのに気付くはずだ。これらは正確には「交通情報板」と呼ばれている。都道府県の警察にある交通管制センターで収集,分析した情報をリアルタイムで配信する装置だ。
では,これだけの情報を収集,配信する交通管制センターとはどんなところなんだろうか。今回は神奈川県警察本部の交通管制センターを訪ねてみることにした。
みなとみらい線の馬車道駅で下車して,神奈川県警本部に到着(写真1)。受付で名前を名乗ると,交通規制課に通された。それにしても,警察関係を訪問すると,何も悪いことをしていないのについビクビクしてしまう。交通規制課の入り口で小さくなって待っていると,穏やかそうな制服姿の男性が出てきた。交通管制センターを案内してくださる交通規制課システム運用係技幹の佐藤博志さんだった。
目の前に広がる巨大地図が基地のよう
交通管制センターというので,なんとなく別棟の建物を想像していたのだが,実際には神奈川県警本部のビル内にあった。ただ,中に一歩入ると目の前には天井まで届く巨大な地図とたくさんのモニターが広がる。入り口近くの天井は低めだが,奥は2階分ぶち抜きになっていて広く感じる(写真2)。ここでは主に(1)主要交差点の映像,(2)道路の混雑状況の情報,(3)ある地点からある地点まで車が移動するのにかかる旅行時間の三つを収集,配信しているそうだ。
一つ目の主要交差点の映像は左のモニターに映っていた。このうちいくつかの映像がランダムに選択されて,右側の大きめのモニターにも映る(写真3)。大きな交差点にはネットワーク・カメラが設置されていて,撮影した映像をNTTの光回線でセンターに24時間送信しているのだ。県警の署員はこの映像を見て,道の混雑状況はどうか,事故はないかなどをチェックする。
「ということは,信号には全部光回線がつながっているんですか」と聞いてみた。すると鈴木さんは「そうです」とうなずいた。正確には,各信号からの線が道路や交差点の主要な信号に集約され,その信号から光回線につながっているらしい。
道路上のセンサーで渋滞をチェック
二つ目の道路の混雑状況を示すのが真ん中の大きな地図だ。県内の交差点の混雑状況がランプの色でわかるようになっている。ランプがついていなければ渋滞なし,緑のランプだけなら渋滞の長さは300~500メートル,緑と黄色のランプなら500~1000メートル,緑,黄色,赤が全部付くと1000メートル以上ということになる。このときは南蒲田が渋滞中らしかった(写真4)。
ここで,「渋滞状況ってどうやってわかるんですか」と質問してみた。すると,佐藤さんに「道路の上に棒が出ていて,その先にお椀のようなものが付いているのを見たことがありませんか」と聞かれた。とっさには思いつかなかったが写真を見るとすぐわかった(写真5)。「これが超音波式車両感知器なんですよ」と佐藤さんが言う。車両感知器は路面に向かって超音波を発射し,車両や地面にぶつかって戻ってくる音波を感知する。車両に音波がぶつかったときは地面にぶつかったときよりも音波が戻ってくるのが早い。このことから,早く音波が戻ってくる頻度が高ければ,道路を通る車が多い(=道が混んでいる)ということだし,頻度が少なければ少ない(=道が空いている)とわかるわけだ。