SAPジャパン ロバート・エンスリン 社長

2007年(1月~12月)の情報化投資の動向をどうみるか。2006年と比べた伸び率「%」と、その理由をお答えください。

 日本版SOX法の実施基準案も発表され、お客様は実際にアクションを起こす年となり、ERP(統合業務パッケージ)の需要は増加すると思われる。業界では引き続き、製造分野、ハイテク分野が成長するほか、景気の回復とともに中堅中小企業のIT投資が活発となるだろう。

2007年に注目する技術とその理由をお答えください。

 SOA(サービス指向アーキテクチャ)だ。SAPが提唱するEnterprise SOAは、Webサービスの設計、構成、展開をエンタープライズ・レベルで実現し、ビジネス要件への対応を支援するものだ。

2007年を、御社のコンピュータ事業にとって、どんな年と位置付けていますか。

 SME(中堅中小企業)ビジネス拡大の年。SAPをSOAのリーディング・カンパニーと位置付ける年。

2007年に特に強化する事業は何ですか。

営業力の強化
 大企業および中堅中小企業向けに営業要員を増強し、ビジネスの拡大を目指す。また、パートナー・プログラムの刷新などにより、パートナーとの協業を強化する。特に、チャネル販売によるSME分野に注力していく。現在、市場には約8000人のSAP認定コンサルタントがいるが、実際には1万2000人は必要とされている。我々としては市場のニーズに応えられるようパートナーを支援していきたい。

日本版SOX法対応ソリューション
 SAPでは、システム内に業務処理統制や全体統制の仕組みを持つ基幹業務ソフトウエア・パッケージの「mySAP ERP」に加え、それを中核とするコンプライアンス対応システム基盤「SAP GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)」の利用を推進していく。今年は、職務分掌、権限管理などをカバーするGRCソリューションのラインアップを拡大する予定だ。

Enterprise SOA
 2006年5月から出荷を開始した「mySAP ERP 2005」では、「mySAP Business Suite」ですでに提供している500超のエンタープライズ・サービスのうち、300種類が利用可能である。これとEnterprise SOAのプラットフォームである「SAP NetWeaver」を組み合わせれば、さまざまな業務がEnterprise SOAで連繋できるようになる。Enterprise SOAが約束することは二つ。ビジネス革新の促進と、既存リソースの活用だ。

2006年のコンピュータ事業を振り返って、100点満点で自己採点してください。合格点は何点からか、合格点に満たない場合の不足分は何かについてもお答えください。

90点(昨年度80点だったので)