日本ユニシス 籾井 勝人 社長

2007年(1月~12月)の情報化投資の動向をどうみるか。2006年と比べた伸び率「%」と、その理由をお答えください。

IT市場全体/事業分野別
 2007年のIT投資は、国内需要の拡大を受けて引き続きサービスの伸びが牽引し、2~3%程度成長するものと予想している。ただし、日本版SOX法対応などの一時的な需要が高まるものの、昨年から市場規模が拡大している中で供給体制に限界があることから、全体の成長率はやや緩やかな伸びになるものと考える。

業種・業態別
 また、マーケット、業態のおかれた環境によるIT投資需要の違いはさらに顕著になるものと考える。再編や新サービスなどの変化が激しい業界(金融、流通、製薬、通信運輸など)のIT投資が伸びるほか、投資分野についても、CRM(顧客関係管理)や経営管理など、企業成長に向けた戦略的な投資分野が伸びるものと考えている。

2007年に注目する技術とその理由をお答えください。

 プロセスや成果物品質の可視化技術に注目している。

2007年を、御社のコンピュータ事業にとって、どんな年と位置付けていますか。

 当社は、2007年を改革の「実行の年」と位置付け、最優先課題として品質向上に取り組む。品質は、ITが社会インフラとしての重要度が高まる中で安全・安心なシステムを構築するためにも、企業の社会的責任においても、極めて重要であると考えるためだ。

2007年に特に強化する事業は何ですか。

 品質向上については、社員の意識改革や人事制度の改定などにより、人材育成の強化に取り組んでいく。さらに、プロジェクト・マネジャを支援する体制を強化する。管理目的のためのレビューではなく、後方から支援できる仕組みを導入するなどの施策を積極的に実行し、信頼性と安全性をより高めることに注力する。

 また、サービス・ビジネス、特にOSS(オープンソース・ソフトウエア)によるミッションクリティカル・システムへのサービス提供を強化する。具体的には、OSSと当社のミドルウエアとの連携を強化し、お客様のニーズに合った柔軟性と信頼性を兼ね備えた情報システム構築のための支援体制を強化する。また、研究開発に積極的な投資を行い、品質向上のためのミドルウエア開発を行なう。

 業種・業界については、特に注目される流通・物流分野をさらに強化したい。

2006年のコンピュータ事業を振り返って、100点満点で自己採点してください。合格点は何点からか、合格点に満たない場合の不足分は何かについてもお答えください。

 50点(合格点を100 点とした場合)。理由は、結果が出ていないためだ。