日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った調査で,2006年11月の「IT予算執行率INDEX」をシステムの分野別に見たところ,前々回-7.1%(全体平均は-4.5%)から前回-0.7%(全体平均は-6.3%)と予算未達(未消化)率が大きくシフトした「新規システム開発」が,今回は-5.8%(全体平均は-5.1%)とまた未消化側に振れた。

 このほか,11月の予算執行率INDEXが全体平均より低いのは,「経営戦略系システム」の-7.7%(前回は-9.2%,前々回は-5.5%)と「SFA・営業系システム」の-5.4%(前回は-3.6%,前々回は-4.0%)。前回調査(10月実績)では経営戦略系とCRM・顧客関連系(-6.7%)の2分野だけが突出して未消化率が高く,他にはIT予算執行率が-4%を超す分野がなかったが,今回は業務アプリケーション8分野のうち6分野が-4%ラインを踏み越えた。

 ハード/ソフト別では,「ハードウエア購入」がほぼ予算通りの-0.8%(前回-0.2%,前々回-1.8%),「ソフトウエア購入」も-2.2%(前回-2.8%,前々回-2.5%)。インフラに分類している「ネットワーク系システム」の予算執行率も-1.9%(前回-2.2%,前々回-0.6%)で,この3分野はこの3カ月間,若干未消化ながらほぼ安定して推移している。

◆注
 調査実施時期は2006年12月上旬~中旬,調査全体の有効回答は6066件,うち情報システム担当者の有効回答は1294件,本設問の有効回答は844件。
 本文中の「予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。

図●2006年11月のシステム分野別平均IT予算執行率