概要  
Windows XPでIPv6をインストール/アンインストールしたり,IPv6アドレスの設定などを実行する。GUI上ではIPv6設定の確認や変更はできないため,ipv6やnetsh interface ipv6といったコマンド・ライン・ツールを使う。

 構文  
ipv6 [-p] [-v] {if|ifcr v6v4 | ifcr 6over4 | ifc | rlu | ifd | adu | nc | ncf | rc | rcf | bc | rt | rtu | spt | spu | gp | gpu | renew | ppt | ppu | ppd | reset | install | uninstall}

 利用環境  
Windows 95 ×
Windows 98 ×
Windows Me ×
Windows NT 4.0 ×
Windows 2000 ×
Windows XP ○
Windows Server 2003 ×
※ipv6コマンドは,Windows Server 2003からはnetsh interface ipv6に置き換えられている。以下のコマンド・オプションの説明には,対応するnetsh interface ipv6コンテキストのコマンド・オプションも併記した。

 コマンド・オプション 
(なし)または?または/?またはhelpipv6コマンドのヘルプを表示する。
if LANインタフェースのインデックスインデックスで指定したLANインタフェースの構成パラメータを表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow interface。「-v」オプションを付加すると詳細を表示する。
ifcr v6v4 IPv4ローカル・アドレス IPv4リモート・アドレス [nd] [pmld]IPv6-in-IPv4 point-to-pointトンネルを作成する。netsh interface ipv6の対応オプションはadd v6v4tunnel。付加オプションの「nd」は近隣探索を有効とし,「pmld」はトンネル終端ノードでMLDメッセージを有効とするかを指定する。
ifcr 6over4 IPv4ローカル・アドレス指定されたIPv4ローカル・アドレスを使用して6over4LANインタフェースを作成する。netsh interface ipv6の対応オプションはadd 6over4tunnel。
ifc LANインタフェースのインデックス {forwards|-forwards}{advertises|-advertises}[mtu バイト値][site サイト識別子]インデックスで指定したLANインタフェースのパラメータを変更する。netsh interface ipv6の対応オプションはset interface。付加オプションの「forward」あるいは「-forward」でIP転送を有効/無効に,「advertises」または「-advertises」でルート情報伝達を有効あるいは無効に,「mtu」ではMaximum Transmission Unit(データ分割ブロックの最大値)をバイト単位で,「site」ではサイトスコープのゾーン識別子を指定できる。
rlu LANインタフェースのインデックス IPv4リモート・アドレスIPv4リモート・アドレスを持つISATAPルーターのISATAP名前解決を行う。netsh interface ipv6ではisatapコンテキストで対応しオプションはset routerとなる。
ifd LANインタフェースのインデックスIPv6スタックからインデックスで指定したLANインタフェースを削除する。netsh interface ipv6の対応オプションはdelete interface。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
adu LANインタフェースのインデックス/IPv6アドレス [lifetime 有効期間[/優先期間]] [anycast] [unicast]インデックスで指定したLANインタフェースにIPv6アドレスを追加する。netsh interface ipv6の対応オプションはadd address。付加オプションの「lifetime」での有効期間と優先期間は整数値の秒単位で指定する。優先期間を省略した場合は有効期間と同じ値となる。また,有効期間を0とした場合には削除され,指定しない場合は無期限となる。付加オプションの「anycast」「unicast」でエニーキャストかユニキャストかを指定する。
nc LANインタフェースのインデックス [IPv6アドレス]近隣キャッシュ・エントリを表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow neighbors。インデックスでLANインタフェースが指定されている場合はそのLANインタフェースでのみ,IPv6アドレスが指定されている場合は当該アドレスに関するキャッシュ・エントリのみを表示する。
ncf LANインタフェースのインデックス [IPv6アドレス]IPv6近隣キャッシュを削除する。netsh interface ipv6の対応オプションはdelete neighbors。インデックスでLANインタフェースが指定されている場合,そのLANインタフェースでのみIPv6近隣キャッシュを削除する。
rc LANインタフェースのインデックス [IPv6アドレス]あて先キャッシュ・エントリを表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow destinationcache。インデックスでLANインタフェースが指定されている場合はそのLANインタフェースでのみ,IPv6アドレスが指定されている場合は当該アドレスに関するキャッシュ・エントリのみを表示する。
/f:ファイル名診断の結果を指定したファイル名で出力する。
rcf LANインタフェースのインデックス [IPv6アドレス]IPv6あて先キャッシュを削除する。netsh interface ipv6の対応オプションはdelete destinationcache。インデックスでLANインタフェースが指定されている場合,そのLANインタフェースでのみIPv6あて先キャッシュを削除する。
bcすべてのバインド・キャッシュ・エントリを表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow bindingcacheentries。
rtルート・テーブルの状態を表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow routes。付加オプションの「-v」で詳細を表示する。
rtu プレフィックス LANインタフェースのインデックス [/IPv6アドレス] [lifetime 有効期間[/優先期間]] [preference 優先順位] [publish] [age] [spl サイト・プレフィックスの長さ]指定したルート・プレフィックスにIPv6ルートを追加する。netsh interface ipv6の対応オプションはadd route。付加オプションの「lifetime」での有効期間と優先期間は整数値の秒単位で指定する。優先期間を省略した場合は有効期間と同じ値となる。また,有効期間を0とした場合には削除され,指定しない場合は無期限となる。「publish」で公開ルートとするかどうかを,「age」でエージングするかどうかをそれぞれ決定する。「spl」ではルートに関連付けられるサイト・プレフィックス長を指定できる。また,「-p」で変更を永続的なものと指定する。
sptサイト・プレフィックス・テーブルの状態を表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow siteprefixes。
spu プレフィックス・LANインタフェースのインデックス [lifetime 有効期間]サイト・プレフィックス・テーブルのプレフィックスを追加,削除,または更新する。rtuと同様にnetsh interface ipv6の対応オプションはadd route。有効期間の指定は秒単位で,省略した場合は無期限,0にした場合は際とプレフィックスが削除される。
gpコンピュータすべてのIPv6対応LANインタフェースにおける,グローバルな構成パラメータを表示する。netsh interface ipv6の対応オプションはshow global。
gpu DefaultCurHopLimit ホップ数ノードからの送信パケットにおけるIPv6ヘッダのホップ制限値を設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset global。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu UseAnonymousAddresses {yes|no|always|回数}一時(匿名)アドレスが使用されるかどうかを判定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。また,Advanced Networking Pack for Windows XP以降では「gpu UseTemporaryAddresses」にオプション名が変更されている。
gpu MaxAnonDADAttempts 試行回数一時(匿名)アドレスに関する一意性の確認回数を設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu MaxAnonLifetime 有効期間[/最大有効期間]一時(匿名)アドレスの有効期間と最大有効期間を設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu AnonRegenerateTime 生成間隔新しい一時(匿名)アドレスを生成する間隔を秒単位で設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu MaxAnonRandomTime 時間一時(匿名)アドレスを生成するランダム間隔の最大値を分単位で設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu AnonRandomTime 時間一時(匿名)アドレスを生成するランダム間隔の最小値を秒単位で設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset privacy。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu NeighborCacheLimit 最大エントリ数LANインタフェースごとの近隣ノード・キャッシュ最大エントリ数を設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset global。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
gpu RouteCacheLimit 最大エントリ数LANインタフェースごとのルート・キャッシュ最大エントリ数を設定する。netsh interface ipv6の対応オプションはset global。付加オプションの「-p」で変更を永続的なものと指定する。
pptプレフィックス・ポリシー・エントリを表示する。
ppu プレフィックス precedence 優先順位 srclabel 送信元ラベル値 [dstlabel あて先ラベル値]送信元ラベル値とあて先ラベル値を利用しプレフィックス・ポリシー・エントリを更新する。netsh interface ipv6の対応オプションはadd prefixpolicy。
ppd プレフィックス指定したプレフィックスの送信元およびあて先の選択ポリシーを削除する。netsh interface ipv6の対応オプションはdelete prefixpolicy。
resetIPv6 の構成状態をリセットする。netsh interface ipv6の対応オプションはreset。
renew LANインタフェースのインデックス指定したIPv6LANインタフェースを再開する。netsh interface ipv6の対応オプションはrenew。インデックスを指定しない場合は,すべてのIPv6LANインタフェースを再開する。
installIPv6コンポーネントをインストールする。netsh interface ipv6の対応オプションはinstall。
uninstallIPv6コンポーネントをアンインストールする。netsh interface ipv6の対応オプションはuninstall。

 使用例:IPv6アドレスを指定してIPv6コンポーネントを追加する(クリックで詳細表示)  
ipv6 adu LANインタフェースのインデックス/IPv6アドレス ipv6 if LANインタフェースのインデックス