価格.com「Messge from メーカー」機能による情報発信の例
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 カカクコムが運営する価格比較サイト「価格.com(http://kakaku.com/)」は12月から、パソコンなどのメーカーが直接サイト利用者に情報を発信できる「Message from メーカー」という機能を追加した。購入意欲の高い消費者の閲覧が多い価格.comでメーカーに情報発信の機会を提供し、広告収入を拡大する。

 価格.comはパソコンやデジカメなど約24万点の商品データベースを持ち、通販店での実売価格や、消費者が書き込んだ口コミなどの情報を掲載している。従来は消費者同士や、消費者・販売店間をつなぐ機能に特化しており、消費者・メーカー間を直接つなぐ機能は弱かった。

 メーカーの間では「ウェブ2.0」を意識し、口コミ効果を狙って独自にブログやコミュニティーを立ち上げる動きが広がっているが、「口コミを広げるために(価格.comという)コミュニティーに入り込みたいというニーズがあると判断した」(カカクコムの大堂充久・サービス本部通信サービス部マネージャー)という。

 現時点では、デル(川崎市)とサンワサプライ(岡山市)のメーカー2社が情報発信を始めている。価格.com内のデル製パソコンの価格・仕様情報のページを見に来た人が「from DELL」というタブをクリックすると、割引クーポンなどのページが表示される。今後は、メーカーからイベント情報や開発秘話など口コミにつながりやすい情報が発信され、それをきっかけに価格.comの掲示板内で話題が盛り上がることを想定している。

 利用者はページの評価を3段階で投票できる。一般的な広告とは違い、利用者は投票を集計した人気記事ランキングなどを見て、メーカーから発信されている情報が価値のあるものかどうかを判断できる。利用者はページの形式はブログに近いが、現時点ではコメントやトラックバックの機能はない。メーカーのブログでは利用者から否定的なコメントが殺到する「炎上」という現象も起きているため、「まずは、メーカーと消費者と緩やかにつなげることを念頭に置いた」(大堂マネージャー)という。