■全国の都道府県・市・区を対象とした第2回「自治体の情報システムに関する実態調査」の回答から得点を算出して「自治体情報システム格付け」を実施した。その結果、70団体が最も高い「AAA」評価を得た。調査結果からは、ITガバナンスの重要性が浮き彫りになった。(谷口 和正=東京コンサルティング、本間 康裕)

※ この記事は『日経BPガバメントテクノロジー』第14号(2006年12月15日発行)に掲載された特集「自治体の情報システムを格付け」の一部を再構成したものです。

 日経BPガバメントテクノロジーと東京コンサルティングは2006年11月、共同で実施した「自治体の情報システムに関する実態調査」の結果を明らかにした。この調査は今年で2回目で、47都道府県、全国の779市全部、東京23区(2006年7月7日時点)に対してアンケートを行った。その結果を基に、各自治体のシステム化プロセス、調達、構築、運用、ガバナンスの体制、また行政改革との関連性、住民指向の徹底や自治体同士の連携などを調査・分析するとともに、調査回答から得点を算出し「自治体情報システム格付け」を実施した(調査概要はこちら)。

 有効回答を寄せた430自治体のうち、最もレベルの高い「AAA」の格付けを獲得した自治体は8都府県と5区57市の計70団体で全体の16.3%だった(AAAの70団体一覧)。

 また、回答データをポイント化してランキングを算出したところ、総合得点が最も高かったのは大阪府豊中市だった(豊中市CIOインタビューはこちら)。以下10位まで千葉県市川市、兵庫県西宮市、神奈川県横須賀市、神奈川県藤沢市、東京都、神戸市、岐阜県、東京都世田谷区、東京都板橋区の順となった(表1)。このうち6自治体は、昨年から連続してトップ10入りしている(前回の調査結果はこちら)。

■表1 「自治体の情報システムに関する実態調査」の上位10団体
順位 前回順位 自治体名 総合得点 アチーブメント(AC) アーキテクチャ(AR) アプローチ(AP)
1 - 豊中市(大阪府) 222.48 68.69 80.71 73.09
2 - 市川市(千葉県) 221.95 70.60 78.53 72.82
3 1 西宮市(兵庫県) 219.02 66.38 80.81 71.83
4 3 横須賀市(神奈川県) 217.22 69.66 77.26 70.30
5 10 藤沢市(神奈川県) 216.34 68.09 76.51 71.74
6 2 東京都 216.16 68.25 77.40 70.52
7 24 神戸市(兵庫県) 197.56 58.43 67.04 72.09
8 7 岐阜県 188.13 60.87 63.73 63.53
9 5 世田谷区(東京都) 186.54 56.81 68.95 60.78
10 - 板橋区(東京都) 185.99 57.94 71.44 56.61
AC(システム化効果)、AR(システムの基本構造)、AP(システム化プロセス・体制)の項目それぞれのポイントを100点満点に換算し、合計して300点満点で総合得点を算出した。各数値は、小数点以下第三位を四捨五入している。

自治体のシステムを格付け、70団体が「AAA」を獲得
第2回 自治体の情報システムに関する実態調査