三浦 雅孝 アイ・ピー・ビジョン
CTO
三浦 雅孝

相手の顔などを写すTV電話機。SIP電話でも、製品が続々登場している。こういったTV電話機がSIPサービスに接続できるかを試してみた。監視機能も備えており、使い勝手はありそうである。また、無線IP電話機も試してみた。

 TV電話機能のついたSIP電話機で注目してほしいのが、米Grandstream Networksが3月に発表した「GXV-3000」である。同社はSIP電話機メーカーとしては老舗であり、ビジネスからコンシューマまでの数々のSIP電話機を製品化している。

写真1●H.264ビデオをサポートするGrandstream製「GXV-3000」
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 GXV-3000はH.264のビデオをサポートしたTV電話機である。H.264は地上波デジタル放送でも使われている画像コーデック(符号化方式)であり、今後の標準となると思われる。筆者は発売直後にオーダーをしたが、なかなか入手できない状況が続いた。11月になってやっと入手できた(写真1)。

TV電話機Grandstgream製「GXV-3000」を使ってみる

 GX-3000をSIPサーバーに登録して、接続してみる。デフォルトでDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が有効となっており、LANに接続すれば、自動的にIPアドレスが振られる。設定は、Webブラウザでアクセス(図1図2)、または電話機のディスプレイに表示されるメニューと本体のキーを使うことによって行う。

 
図1●アカウントごとのSIP情報の設定画面
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  図2●共通項目の設定画面
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 Acount1~3があり、同時に3つのアカウントを設定できるのは便利である。社内SIPサーバーと外部のSIP電話サービスに同時に接続できる。どのAcountを使って発信するかは、電話機の上部にあるLine1から3つのキーで選択する。

 まずは、接続するSIPサーバーのアカウントを設定し接続をしてみる。何の問題もなくTV電話として接続できた。

 
写真2●TV電話の通話中画面  
 画面は5.6インチのTFT液晶であり、TV電話としては十分な大きさである。カメラはCMOS330万画素である。多少シャープさが欠ける感じである。また、背景が明るいと顔が暗くなってしまう。輝度調整は自動となっているが、通常のTV画像などに比べると多少見劣りがする。デフォルトでは30フレーム/秒の転送レートである。使用帯域は800kビット/秒程度であった。

 画面の左上に、自分の画像がピクチャ・イン・ピクチャで表示される。現在使用中の音声コーデック、動画コーデック、転送レート、フレームレートなどの情報がスーパーインポーズで表示される(写真2)。