この講座のテーマは,2進数,浮動小数点数,BCDなどの「データ表現」です。皆さんは「そんなこと,分かりきっているよ!」と思われるかもしれませんが,はたしてそうでしょうか。小数点以下の2進数を10進数に変換できますか。「けた落ち」が生じる原因と,その対策を説明できますか。なかなか,自信を持って「できる」と言える人は少ないでしょう。データ表現は,コンピュータを取り扱う上で,基本中の基本となるものです。

 信じられないことかもしれませんが,コンピュータを使っていると,数値が突然プラスからマイナスに変わってしまったり,誤差が生じて思い通りの計算結果が得られないことがあります。データ表現を知っていれば,このような問題に遭遇しても,原因を究明して適切な対策を施すことができるのです。16進数のダンプ・リストを見たときに,それが10進数でいくつなのかも瞬時に判断できるようになります。コンピュータを使っているなら,データ表現の知識は必要不可欠なものなのです。この機会に,あらためて皆さんの知識を整理してみましょう。