2005年、秋葉原駅前に再開発で建てられたばかりの最新ビルに移転。自社製品や代理店として製品を販売する、ぷらっとホームがWeb2.0のサービスで新たな仕掛けを展開していく。今後、手掛ける新サービスと必要となる人材について、代表取締役の鈴木友康氏に直撃インタビューした。

Web2.0のサービス実現のための開発に着手

鈴木友康 (すずき・ともやす)氏

 自社製品のサーバ・ストレージの販売からVPN機器、OSライセンスなどIT製品の代理店販売まで、優れた製品を取り扱う、ぷらっとホーム。

 2005年5月、本社を秋葉原の駅前に建設されたばかりの最新ビルに移し、Web2.0の考え方をいち早く企業システムに取り入れて新たなサービスを展開していく予定だ。

 同社はこれまでにもLinuxを日本で初めて導入し、注目を集めた実績のある企業である。

「今では当然のように、日本の多くのシステムがLinuxサーバとなり、運用されています。しかし、1993年12月に我々がLinuxやFreeBSDのパッケージを輸入して、販売を開始した当時は周囲の人からそんなものを売って、商売になるのか?と笑われた(笑)。でも、私たちはその価値を信じて、疑わなかったのです。その後、Linuxがどうなったかはみなさんがご存知の通りです」と話すのは代表取締役を務める、鈴木友康氏。

 そんな同社が開発を手掛けているのがWeb2.0のサービス。会社を設立した当初から重視している、「オープンソース」という考え方に通じるところがあると捉えたからである。

 その具体的なサービスとは――。

企業システムにおける、外と内という壁を取り払い、ユーザー参加型の企業システムを実現していくという。現在、ユーザー参加型の企業システムは存在しておらず、企業システムの設計・構築において、ぷらっとホームはWeb2.0の概念を取り入れ、システムに反映していくというのである。「これまで、日本では海外とは違い、M&Aは珍しかった。でも、今では当然のように行われています。また、事業の提携なども当たり前のようになっており、ある日突然ビジネスフローが変ってしまうことなども増えてきました。これからは企業の基幹システムがITサービス化することは、ごく自然な世の中となります」(鈴木氏)

学歴、国籍、すべて不問。好奇心と実現力が必要

 同社がこれから仕掛けるのは、これまでにない、新たなWeb2.0のサービス。企業間の連携をより高めるためのシステムとなる。そのため、新たな人材を募集するという。

 では、いったいどんな人物が必要とされているのだろうか?

「既存のシステムに捕らわれることなく、どんどん新しい発想ができる人がほしいですね。もちろん、発想ができるだけでなく、それを実際に動くものとしてシステム化していかなければいけません。ちなみに当社では、サプライヤーの方がWeb経由で、当社の在庫をリアルタイムで確認することができます。これらの基幹業務システムは今後Webサービスに置き換わっていくはずで、当社ではこのようなB2B向けの仕組みから、徐々にWebサービスを投入していく予定です」と話すのは鈴木氏。しかし、必ずしも発想した本人が開発全てを行うことは必須でない。オープンソースを原点としてきた同社らしく、システム化には何が必要かを考え、それを人とコミュニケーションしたり、コーディネートしたりしながら実装していく力がなにより大事だという。さらに驚くのは、学歴不問、国籍不問という採用基準。これまでの実績にかぎらず、新分野での潜在力をもつ人を求めているのだ。

 実際にはどんな人たちが働いているのだろうか――。

「情報システム課の課長を任されていますが、私は現在、27歳。当社は年齢に関わらず、責任ある仕事もどんどん任せてもらえます。それだけではありません。新たなシステム開発に着手するだけの土壌がしっかりしているのが魅力ですね」と笑顔で語るのは、情報システム課・課長の松下享平氏。新たな取り組みにも決して「No」と言われない、魅力的な社風である。

半年後にはWeb2.0の新サービスを世の中に出す

 Web2.0の開発に着手したのは半年前。現在は社内基幹システムのXMLWEBサービス対応が完了したところである。しかし残念ながら、未だ表立ったサービスを提供するのには至っていない。ぷらっとホームはこのことに強い危機感を抱いており、早急に開発でサポートしてくれる力を持った優秀な人材を求めている。

 また、IT業界では他社にないサービスをいち早く提供していくことが今後の生き残りの鍵となる。そのため、発想してから開発までのスピードも短期間で行なわなければならない。その分、IT業界で注目されるような新サービスを提供できる可能性も十分に秘めていると言えるだろう。「今、IT業界は3フェーズ目の変革の時期に差しかかっています。その新たなフェーズの鍵となるのが、Web2.0のサービスなのです。Web2.0のサービスの話を聞いて、なんのことだろう?を思っているような人じゃいけない。腕利きかつ、創造力豊かな人に来ていただきたい。例えば、会社ではどうしても新技術にチャレンジさせてくれないから、休日に自前でWebサービスを開発をしているような人は大歓迎です。当社なら、会社を上げてどんどん挑戦を支援しますので、そんな人には是非応募をしてほしいです」(鈴木氏)

 これからの新たなサービス登場に同業界からもますます注目度の高まりそうな企業である。

鈴木友康(すずき・ともやす)氏
秋田県出身。1989年、東京大学教育学部を卒業後、日商岩井入社。96年ぷらっとホーム副社長に就任。