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Linux一問一答

日経Linux

LinuxとWindowsを比べた場合,安定性や安全性が優れるのはどちらですか

2007/02/08
ライター 生越 昌己
出典:日経Linux 2006年2月号  169ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

Q: LinuxとWindowsを比べた場合,安定性や安全性が優れるのはどちらですか

A: 使う人がどちらのスキルが高いかによりますが・・・

 客観的に安定性や安全性の優劣を考えるとき,それらについての調査レポートを見るのが普通です。これは安定性や安全性だけではなく,高速性やコストという点でも同じですね。

 ところが,これらの調査レポートを見ると分かりますが,調査対象が同じレポートであっても,全く矛盾した結果になっていることが少なくありません。ある調査レポートにはLinuxが優れていると書かれ,別の調査レポートにはWindowsが優れていると書かれているわけです。これはどちらかが嘘(うそ)をついているのではなく,調査する時の尺度や条件がさまざまであるため,異なる結果になっています。米Microsoft社の「Get the factキャンペーン」はいろいろな異論反論があるわけですが,少なくともあのキャンペーンの根拠となったレポートは,事実を述べていたのではないかと思います。

 オープンソースの世界での一般論を見ると,「LinuxはWindowsよりも安定でバグも少なく安全」という意見が大勢を占めています。確かに最近のLinuxは致命的なバグが少なく,またセキュリティ・ホールなどもすぐ修正されることが多いので,安定性や安全性が高そうにみえるのは確かです。セキュリティ関係の緊急情報を見ても,Windowsの方には「なんだこりゃ」と思えるものが多く,いろいろ不安を感じることが少なくありません。

 しかし,セキュリティ関係の統計(クラックされたサーバーとそのOSなどの統計)を見る限り,Linuxサーバーへのクラックは,そのシェアを考慮に入れると,特別に少ないとはいえないのが実状です。

 安定性についても,最近のWindowsでは大規模基幹業務での実績が増えつつあります。これらを見ると,「Windowsはなかなか健闘している」とさえ思います。もちろんこれも統計の取り方や条件の違いがあるので,そのままうのみにできるものではないので注意が必要ではありますが。

 ただ,最近のLinuxへのクラックの傾向や手口をみると,ソフトウエアそのもののセキュリティ・ホールを狙った攻撃よりも,設定の甘さとか,利用者管理の甘さを狙った攻撃が多いようで,そのことを考えると,OS自身の堅固さというのはあまり関係ないように思えます。

 今や安定性や安全性はOS自身がどうこうという問題ではなく,それを管理する人や,使っている人の意識やスキルによる部分が大きくなっているといえます。ですから,「OSの安定性や安全性」とは,「安定性や安全性の高いOS」という観点ではなく,「安定性や安全性を高くしやすいOS」という観点で見るべきでしょう。

「安定性や安全性を高くしやすい」ということの要素としては,基本的な安定性や安全性だけではなく,

・そのOSへの「慣れ」
・情報の入手しやすさ
・目的とした業務への適合

といったことが挙げられるでしょう。

 私個人が安定性や安全性を上げやすいのはどちらかと聞かれれば,もちろんLinuxの方ですし,それはオープンソースであるからという点が大きいのですが,それが誰にでも当てはまるとはいえません。特に不慣れなうちは情報収集に苦労することも少なくないでしょうね。

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