Fedora Projectは10月24日「Fedora Core 6」を正式リリースした。いつものごとく新機能満載の意欲的な実験的ディストリビューションになっており,新しいトピックも沢山あるのだが,今回は以下のトピックに注目したい。

  • Intel Macでの動作に対応した。
  • AIGLXを利用した「Compiz」ウィンドウマネージャにより,様々な画面効果が得られるようになった。
  • Virtual Machine Managerで仮想マシンを簡単に管理できるようになった。
  • SELinuxのトラブルを解決する「SELinux Trouble Shooting Tool」(setroubleshoot)が搭載された。

     そこで今回は,MacBook(Intel Core Duo搭載)にFedora Core 6をインストールし,各種機能を評価してみた。



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    Intel Macへのインストールは簡単

     Fedora Core 6をIntelベースのMacにインストールするのはとても簡単だ。アップルが提供するデュアルブート環境構築のためのツール「BootCamp」を利用し,内蔵ディスクのパーティションを分割する。デフォルトでは5GBとなっているが,Xenを使った仮想マシン環境を構築したければ余裕を持ってパーティションの割り当てを行っておこう。

     再起動時にOptionキーを押しながら起動すれば,起動デバイスの選択が行える。あらかじめFedore Core 6のインストールメディアを光学ドライブに挿入しておけば,画面上にDVDメディアのアイコンが表示されて選択できる。

     インストーラ起動後は,通常のインストールとなんら変わるところはない。Intel Macの内蔵HDDはシリアルATAなので,LinuxからはSCSIエミュレーションで認識されるため,/dev/sdaなどと表示される。間違えてMac OS Xのパーティションまで削除しないように,「パーティションレイアウトの再確認と変更」にチェックを入れて作業を行う方が安全だろう。

     ちなみに,Fedora Core 6以外のディストリビューションをインストールしてみようとトライしてみたが,正常に行うことができなかった。原因についてはこちらの記事(Debianテスト版はインテルMacにインストール可能)で簡単に触れられているが,元々Intel MacにLinuxを入れるのはイレギュラーな使い方だけに商用ディストリビューションで対応されるかどうかは微妙なところ。今後Intel Macで動かすのはフリー系のディストリビューション中心となるわけで,これまでとはまた違った流行が生まれるかも知れない。

     インストールが終わり再起動を行うが,デフォルトの起動OSはMac OS Xになっているので,インストール開始時と同様,Optionキーを押しながら起動する。Linuxをインストールしても,BootCampではWindowsパーティションとして認識されているので「Windows」と書かれた方のハードディスクから起動する。

     起動して気がつくのが,やや特殊な解像度(1,280×800ピクセル)のMacBookの液晶画面でも,きちんと自動認識されてX Windowが動作していることだ。コントラストが高く見えるクリア液晶だけに,クッキリハッキリの画面表示にちょっと感動。

     有線ネットワークを接続しておけばNICは自動認識されているので,とりあえずDHCPで自動的にネットに接続できる。管理者でログインするとすぐにアップデートを確認してくれる。以前のGUIのアップデーターは遅くて使いにくかったのでついyumコマンドを使ってしまったが,Cでリライトされたということでパフォーマンス的には問題がなくなっている。