
中国と本気で付き合う(2)
日本型経営を持ち込むな
日本企業は高品質な製品を大量に安定供給することで世界市場を制覇してきた。しかし経済がグローバル化され、東南アジア諸国や中国でも質の高いものが作れるようになってきたために、日本企業は戦略をグローバルな視点から見直すことが必要となった。銀行が資金提供を行う基準も厳しくなり、日本企業は資金調達の面からもグローバルな資本市場を意識しなければならない。
したがって、日本企業といえども、採算が見込めない新規事業には投資できないし、既存の事業が環境変化によって不採算に陥った場合、株主の利益を考えてその事業から撤退しなければならない。業績によって資金調達が左右される資本主義下での会社経営では当然のことである。
多くの日本企業は低コストのものづくりと新たな巨大マーケットを求めて、大変な勢いで中国に進出し、中国の存在は日本企業にとって益々大きくなっている。しかし中国自体には相変わらず予測が不可能な部分が残る。次々と新しい法令が出てくることや、中央政府と地方政府の方針や対応のギャップ、元の切上げ問題などはよく知られている。また昨今の反日行動の凄まじさは、中国におけるビジネスの難しさを端的に表している。
こうした中国のビジネス環境において、日本企業が利益を上げ、会社の価値を上げるためには、中国の人々の意識や文化を正しく理解した上で、日本型経営をそのまま持ち込まずに中国において機能する経営管理体制を構築することが重要である。その一環として、柔軟性を持ったガバナンス体制の確立が求められる。
体制作りのポイント
それでは中国企業の典型的なコーポレートガバナンス体制を説明する。中国現地法人の経営で最高の意思決定の場は「董事会(とうじかい)」である。これは日本の株式会社で言えば取締役会に近い存在であるが、株主総会の機能も有する。構成メンバーである「董事(とうじ)」は、派遣元である出資者の考え方にしたがって董事会に出席し、経営に関する重要事項を討議決定する。出資者は董事の任命と更迭によって、自ら出資した会社の経営を行う。
実際の経営執行のために、董事会は「総経理(そうけいり)」を選任する。総経理は日本で一般的に考えられている、商法の制約を受ける代表取締役とは少しニュアンスが異なるが、オペレーション全体に責任を持つ。董事会で決定された経営方針と経営目標に従い、その執行を責任もって請け負う。
一方「監事会」は董事(会)、総経理による経営執行、会社の財務、法令遵守、その他業務に関する妥当性を監査し指導する。監事は株主総会(中国では湖東大会)・従業員総会で選出される。
![]() |






