(田辺 武=日本ヒューレット・パッカード)

 米Penton Mediaが毎年春と秋の2回,米国で開催する「Windows Connections / Exchange Connections」は,米Microsoftのほか数多くのベンダーから,Windows Serverに関する最新の技術情報が得られる有益な場となっている(写真1)。今年の秋は11月6日からの5日間,米国Las Vegasで開催された。Microsoftによる基調講演の模様や,米Hewlett-PackardのCTOが語ったExchange Server 2007を運用する上でのアドバイスなどを,現地レポートとしてお伝えしよう。

 今回のWindows Connections / Exchange Connectionsには,Windows Vistaがまもなくリリースされることも影響し,昨年度より多い約4500人ものIT関係者が参加した。このイベントは,Microsoftの「TechEd」ほど規模が大きくないものの,マーケティング主体のTechEdでは聞くことのできない非公開情報を,Microsoft関係者から聞ける場になっている。またHewlett-Packardや米Symantecをはじめとする10数社のサード・パーティ企業のスペシャリストが講演するとあって,米国のIT業界では広く知られているイベントの1つである。

図1●Windows Connections / Exchange Connectionsの展示会場

 セッション数は,Windows Connection / Exchange Connectionsだけでも,5日間で90を超え,同時に開催されている「SharePoint Connections」,「SQL Connections」,「.NET Connections」を合わせると,200以上もの数になる。そのため,集中してスキルを高められる機会となっており,参加料金が必要であるものの,全米各地からシステム開発者やシステム管理者など中心に数多くのIT関係者が集まっている。

 初日は,MicrosoftのCIO(Chief Information Officer)であるRon Markezich氏と,Exchange Product UnitのマネージャであるDavid Lemson氏が「Get Ready for a New Day」と題する基調講演を行った。両氏は,Microsoftがまもなく出荷を開始する「the 2007 Microsoft Office system」が,人と人が容易に結びつくための,コミュニケーションの手段と機会を提供する製品であると強調した。

 基調講演のデモではまず,Office 2007と「Office SharePoint Server 2007」(Windows SharePoint Server 2003の後継バージョン)を組み合わせた,効率的に情報を引き出し,ビジネス・データから視覚的に状況を判断できるアプリケーションが紹介された。日本でも注目を浴びつつあるAjaxの技術を利用して,画面遷移と非同期通信を両立させて,結果をスムーズに表示させているのが特徴的である(写真2)。続いて,「Visual Studio 2005 Tools for the 2007 Microsoft Office System」が発表されるとともに(写真3),Windows Vistaの画像処理技術を生かしたデモが紹介された。

図2●Ajaxを使ったアプリケーションの例

図3●.NET Framework 3.0と2007 Office system,ASP.NET AJAXがリリースされた

英語を使った音声応答技術に見られる進歩