写真:Grooveを開発したレイ・オジー氏
写真:Grooveを開発したレイ・オジー氏
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 PtoP型グループウエアの「Office Groove 2007」は,次期オフィス製品「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)の中で,唯一まったく新規の製品である。Grooveは,ビル・ゲイツ氏の後任として同社チーフ・ソフトウエア・アーキテクトを務めるレイ・オジー氏が開発したもの。レイ・オジー氏は元祖グループウエアである「ロータスノーツ」を開発した天才プログラマとして名高い。

 GrooveはPtoP型のアーキテクチャを持つので社内にサーバーを構築しなくても利用できる。また,社外ユーザーとの接続も容易である。一方,ファイル交換ソフトのイメージから「PtoPは危険」と思われがちでもある。マイクロソフトはこのような懸念に対して,「Grooveは米国の空軍,陸軍,海軍,国防総省でも使われている」(インフォメーションワーカービジネス本部の松田誠氏)と説明する。セキュリティへの要求がもっとも厳しい組織で使われている実績を強調した。Grooveは通信の暗号化などによって,十分なセキュリティ対策が施されているという。

 Grooveは基本的にはクライアントだけでも動作するが,マイクロソフトは他システムとの連携や管理機能などのため「Office Groove Server 2007」や「Office Groove Enterprise Services」を用意する。加えて,ホスティング・サービス「Office Live Groove」も提供する。

 また,マイクロソフトは「GrooveはWebの技術をふんだんに取り入れている」(松田氏)点も強調する。例えば,JavaScriptによるアプリケーション開発や,Webサービスを使って他システムとデータ連携が可能であるという。Grooveは標準で開発ツールの「Grooveフォームツール」を搭載。各種のグループウエアのアプリケーションを容易に開発できるとしている。

 Grooveは普及価格帯のスイート製品「Office Personal 2007」や「Office Standard 2007」はおろか,「Office Professional 2007」にも含まれていない。Grooveを利用したいユーザーは単体パッケージの「Office Groove 2007」を2万6800円(実売想定価格,アカデミック版は1万3800円)で購入するか,最上位の「Office Ultimate 2007」(実売想定価格は8万4800円)または,ボリューム・ライセンス版の「Office Enterprise 2007」を購入することになる。