米Microsoftが「Windows Live」で提供している地図検索サービスは,身も蓋もない言い方をすれば米Googleの「Google Maps」や「Google Earth」の後追いサービスだ。しかしMicrosoftが11月にベータ版を公開した追加機能「Virtual Earth 3D」は,Google Earthを超えだした。MicrosoftによるGoogle追撃の本気度がうかがえるだろう。

 Microsoftが11月6日(米国時間)に公開した「Virtual Earth 3D」のベータ版は,標準設定の日本語環境にはインストールできなかった。しかし11月17日(同)に公開したバージョン「1.1」から,標準設定の日本語環境にもインストールできるようになった(Virtual Earth 3Dのダウンロード・サイト)。

 Virtual Earth 3Dをインストールした上で,英語版のWindows Live地図検索サービスにInternet Explorer 6/7でアクセスすると,新しい地図検索サービスである3次元CGを使った立体地図が,閲覧できるようになる。現時点で3次元CGが用意されているのは,サンフランシスコやシアトルなど米国の15都市だけだ。都市のリストは,Live Searchの左側に表示されている。なお図1は,アトランタの市街地を斜めから見た画像である。

図1●アトランタの市街地の3次元CG画像
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 Virtual Earth 3Dの特徴は,建物が側面まで色つきで表示されることだ。建物のCGには実写も使われており,屋上が駐車場となっている建物だと,屋上に留まる自動車まで描かれている。またMicrosoftはこの3次元地図情報サービス上で広告サービスも展開しており,サンフランシスコの「ユニオン・スクエア」上空に「Windows Mobile」の広告が表示されることもあった(図2)。

図2●ユニオン・スクエア上空に表示される「Windows Mobile」の広告
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 Virtual Earth 3Dで興味深いのは,MicrosoftがこれをInternet Explorerのプラグインとして実装したことである。3D表示ができる競合アプリケーションの「Google Earth」や,米NASAの「NASA World Wind」は,デスクトップ・アプリケーションである。Microsoftは3次元地図サービスを,検索サービスの一部として提供する考えなのだろう。

【お詫びと訂正】
当初「Virtual Earth 3Dが.NETアプリケーションではない」と記載しましたが,同アプリケーションの動作には.NET Framework 2.0が必要でした。お詫びして訂正します。