写真1●インフォメーションワーカービジネス本部Office製品マーケティンググループ マネージャの田中道明氏
 「2007 Office Systemは過去10年のOfficeの中でも,最大の進化を遂げた製品。日々の文書作成作業やチームによる協調作業で,よりよい結果を,より早く出してもらうために,大幅な機能強化を施した」。こう語るのは,Office 2007のマーケティングを担当する田中道明インフォメーションワーカービジネス本部Office製品マーケティンググループ マネージャだ(写真1)。田中マネージャは,Office 2007で大きく変わったユーザー・インタフェース(UI)を中心に,Office 2007のクライアント製品を紹介した。

 田中マネージャは新UIを開設するに当たって,まず「Word 1.0」の画面を紹介した(写真2)。1989年に出荷したWord 1.0では,コマンド数は100個。画面の解像度は640×480を想定して画面を設計しており,ツールバーの数はわずか2本だった。

写真2●Word 1.0の画面
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 これに対して2003年に出荷を開始した「Word 2003」では,コマンド数は1500に増加(写真3)。画面解像度は1024×768を想定し,ツールバーの数は31本,Word 1.0時代にはなかった作業ウインドウも19種類も備えるまでになった。「機能を使いこなすには,どこにどんなコマンドがあるのか知っておかなければならないのに,覚えきれない。また,知っている機能は使えるけど,知らない機能は使ったこともないし,使いこなせないといった声が,多く寄せられるようになった」(田中マネージャ)。

写真3●Word 2003の画面
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 そこでマイクロソフトは,WordやExcelのUIの抜本的な改良に着手。「結果指向」と呼ぶコンセプトの,新UIを開発した。「ユーザーが知らず知らず実行している繰り返し作業の手間を軽減したり,処理の結果を理解しやすいボタンやメニューを用意することで,短時間でクオリティの高い文書を作成できるようにする。簡単で使いやすいことはもちろん,必要な機能に容易にアクセスできる,また知らなかった機能も自然に使える,こんなUIを目指した」(田中マネージャ)。

今度のOfficeは「結果を出す」

 Office 2007では,Word,Excel,PowerPoint,Access,Outlookに結果指向のUIを採用している。田中マネージャは,Word,Excel,PowerPointを使って,結果指向UIをデモした。

 Office 2007では,従来のプルダウン・メニューに替えて,タブとアイコンを組み合わせた「リボン」と呼ぶメニュー群を採用している(写真4)。各タブには,利用者が実行する作業ごとに必要なコマンドをまとめている。「挿入」タブには文字の入力や文字体裁の編集,「ページレイアウト」タブにはページのサイズや背景画像の設定といった具合だ(写真5)。「様々な機能を分散して配置するのではなく,関連する機能をひとまとめにすることで,必要な機能により容易に見つけられるようにした」(田中マネージャ)。

写真4●「リボン」を備えたOffice 2007
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写真5●Office 2007の「タブ」
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