マイクロソフトが11月30日からボリューム・ライセンス版の販売を始める「the 2007 Microsoft Office system(Office 2007)」は,非常に大規模な製品群である。「Excel」や「Word」といったおなじみのデスクトップ・アプリケーションだけでなく,「SharePoint Server」や「Exchange Server」といったサーバー製品も含まれるからだ。また「Groove」や「Forms Server」といった,全く新規に追加された製品もある。Office 2007の製品構成をまとめてみよう。
Office 2007の主力製品は,従来と同じく,デスクトップ・アプリケーションを集めた「スイート製品」である。ただし,Office 2003で4種類だったスイート製品は,Office 2007では6種類に増加する(図1と図2)。このうち,「Enterprise」と「Professional Plus」は,ボリューム・ライセンス制度でのみ販売される製品である。
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図1●Office 2007の製品構成 |
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図2●Office 2003の製品構成 |
ボリューム・ライセンス契約で「Office 2003 Professional Enterprise」と「ソフトウエア・アシュアランス」を購入しているユーザーがアップグレードできるのは,「Office Professional Plus 2007」である。GrooveやOneNoteが含まれる「Office Enterprise 2007」ではないので,注意してほしい。
続いて,スイート製品の実売想定価格を紹介しよう(表1)。ボリューム・ライセンス版の価格は,5ライセンス以上の購入で適用できる「Open License」の価格である。ボリューム・ライセンス版のOffice 2007には,パッケージ版にある「アップグレード版」が存在しない。将来的にOfficeのアップグレードを考えているユーザーは,ソフトウエア・アシュアランスを同時に購入する必要がある。
表1●Office 2007スイート製品の価格
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ソフトウエア・アシュアランスは,3年の契約期間の間,ライセンス料金を前払いする代わりに,契約期間内に登場する新バージョンを無料で利用できるようにする制度のことだ。パッケージ版には,アップグレード版のほかに,アカデミック版も存在する。
Office 2007には,新規の製品群も存在する。米Microsoftが2005年に買収した米Groove Networksの製品で,ピア・ツー・ピア(P2P)型グループウエアである「Groove 2007」とそのサーバーである「Groove Server 2007」,InfoPathで作成したフォームをWebブラウザから利用できるようにする「Forms Server 2007」である。
このほか,グラフィックス・ソフトの「Visio 2007」,プロジェクト管理ソフトの「Project 2007」やProjectのサーバー製品である「Project Server 2007」,グループウエア製品である「SharePoint Server」,企業向けインスタント・メッセンジャーである「Communicator」や,Comunicatorのサーバー製品である「Office Live Communication Server」,メッセージング・サーバーの「Exchange Server」などが単体製品として販売される。それぞれの価格は表2の通りである。
表2●単体製品の価格
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なおOffice 2007の各単体製品やスイート製品,システム管理者向けの有償情報サービス「TechNet Plus」や,開発者向けの有償情報サービス「MSDN Premium」の会員向けダウンロード・サービスで,CD-ROMのISOイメージ・ファイルをダウンロードできる(ダウンロードできるスイート製品はOffice Professional 2007のみ)。11月30日以降は,ボリューム・ライセンス版の製品が,ボリューム・ライセンス契約者向けのWebサイトでダウンロードできる予定である。