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日本語版もまもなく公開,仮想世界「Second Life」の不思議

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写真1 米Linden LabのWebサイトに掲載された告知
写真1 米Linden LabのWebサイトに掲載された告知
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写真2 Second Lifeのクライアント・ソフト起動時の画面
写真2 Second Lifeのクライアント・ソフト起動時の画面
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 米GoogleによるYouTubeの買収や,ソフトバンクと米News Corporationの提携よる「MySpace日本版」(関連記事)の発表など,ここのところオンライン・コミュニティ・サービス市場における業界の動きが激しい。そうしたなか,米国で大きな話題を集め,個人だけではなく大手企業も次々と参加しているサービスがある。「Second Life」である。

目的や行動に制約のない仮想世界

 Second Lifeのユーザー数(登録アカウント数)はこの10月半ばに100万に達した。本稿を執筆している11月9日時点ではすでに130万を突破したという。今,ものすごい勢いで参加者が急増している。日本語版のサービスもまもなく公開されるという(写真1)。

 Second Lifeは,クライアント・ソフトをパソコンにダウンロードして楽しむMMORPG(多人数参加型オンライン・ロールプレイング・ゲーム)のように見える(写真2)。しかし,一般のゲームとは異なり,行動の目的は定められていない。また,参加者同士が交流するためのコミュニティ機能をふんだんに備えており,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ともいえる。

 Second Lifeでは,3次元CGで描写された仮想世界において,参加者のアバター(化身)がさまざまな営みを行う。参加者は「住人(residents)」と呼ばれ,Second Lifeの世界で生活する。

 「Lindenドル」と呼ばれるマイクロ通貨を使って買い物をしたり,イベントに参加したり,土地を所有したり,事業を興したりすることもできる。自分でコンテンツを作って販売し,Lindenドルを稼ぐことも可能だ。このLindenドルは実際の通貨(米ドル)に換えることもできる。

大手企業が仮想世界に続々参加

 Second Lifeについては,ここ最近,メディアが頻繁に取りあげるようになった。理由は,大手企業が続々と参加し始めたからである。そうした企業名をざっと挙げると,Wells Fargo(銀行/金融),Sun Microsystems(コンピュータ・サーバー/ソフトウエア),Reuters(通信社),BBC(放送局),トヨタ自動車(自動車),Adidas Reebok(スポーツ/アパレル),Starwood Hotels(Sheraton Hotels and Resortsなどを抱えるホテル・チェーン)――と多種多様だ。

 大手企業がSecond Lifeで何をしているのだろうか。その活動形態は,プロモーションやマーケティングの活動,顧客サービス,発表会などさまざまである。例えばWells Fargo銀行は,遊びながら金融について学べるゲームを自行の顧客向けに提供している(BusinessWeek記事)。Sun Microsystemsはこの10月,ゲーム開発者向けにコンピュータ・インフラを提供するプロジェクトの発表会をこの仮想空間で開催した(CNET News.com記事)。

 トヨタは,米国の若い世代をターゲットにした“バーチャル自動車”を提供(GigaOMの記事)。Adidas Reebokはアバターが履くスニーカーを提供していくという。こうした企業のなかには,自社のバーチャル製品を提供することで,製品デザインなどについてユーザーからフィードバックを得て,ブランド戦略や実際の製品開発に役立てたいと考えているところもあるという(3pointD.comの記事

Second Life支局からニュース発信

 Reutersの場合は少し変わっている。同社はSecond Life内に支局を開設した。この支局から,主にSecond Lifeに関する現実世界のニュースを発信する。支局長は同社でテクノロジ系ニュースのレポーターを務めるAdam Pasick氏という人物で,Second Life内では「Adam Reuters」というアバター名で活動している(Reutersの発表資料New York Timesの記事)。

 Second Life支局が過去に発信した記事としては,例えば米Amazon.comのWeb ServicesエバンジェリストJeff Barr氏へのインタビューが挙げられる。Amazon.comのサービス/技術について,Second Lifeへの展開などを細かく聞き,その取材記事を掲載している。Reutersは,Second Life支局のWebサイトも開設しており,こうした記事はSecond Lifeの外,つまり現実世界からでも読めるようにしている(Second Life支局サイトに掲載の記事

RealNetworksの元CTOが設立,Amazon.com CEOも出資

 Second Lifeのサービスが一般公開されたのは2003年のことである。サンフランシスコに拠点を置くLinden Labという企業が提供している。同社の創業者は,米RealNetworksのCTO(最高技術責任者)だったPhilip Rosedale氏。これまで同社は,Amazon.com CEOのJeff Bezos氏やLotus Developmentの設立者Mitch Kapor氏などから出資を受けている。

 同社の主な収入源は,ユーザーから得る利用料とSecond Life内の土地の購入代/土地使用料。利用料金は「Basic」というアカウントの場合では無料だが,最近,初回だけ9.95ドルを支払う「Additional Basic」というアカウント制度も導入した。ただしこれらのアカウントでは土地の購入はできない。土地を購入するためには,月額9.95ドル〜年額72ドルの「Premium」アカウントを取得する必要がある。

 またBasicアカウントの場合,活動の費用として毎週50 Lindenドルのお小遣いがもらえることになっているが,それを受け取るためには毎週ログインする必要がある。一方Premiumアカウントではお小遣い額が毎週500 Lindenドルになる。こちらは毎週ログインしなくても受け取れるという。

 前述の通りLindenドルは米ドルと交換できるが,その交換率は需要と供給のバランスによって日々変動している。Wikipediaによれば,この過去1年では,1米ドル当たりおおむね240 Lindenドル〜350 Lindenドルの範囲で取引されているという(Wikipediaの資料)。


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(小久保 重信=ニューズフロント)  [2006/11/13]





Reuters,オンライン・ゲーム「Second Life」内にバーチャル支局を開設 (2006/10/17)
パスワードの“使いまわし”は危険,一度漏れると被害が拡大 (2006/09/12)

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