●名称:Fedora Core 6
●提供元:Fedoraプロジェクト
●URL:http://fedoraproject.org/
●対応機種:PC AT互換機,PowerPC搭載機

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 Fedoraプロジェクトは2006年10月24日(米国時間),同プロジェクトが開発するLinuxディストリビューションFedora Core 6」を公開しました。Fedora Coreは,さまざまな先端機能をいち早く実装することを重視して開発されているLinuxディストリビューションです。

 Fedora Core 6では,デスクトップ環境「GNOME 2.16」やCライブラリ「glibc-2.5」,コンパイラ「gcc-4.1.1」といった最新パッケージを,ほかのLinuxディストリビューションに先駆けて採用しています。また,グラフィック・カードのアクセラレーション機能をX Window Systemから利用して,デスクトップで透過効果,3次元効果などを利用できる「AIGLX」が搭載されています。さらに,エミュレータの「Xen」をGUI上で制御できるツール「Virtual Machine Manager」や,セキュアOSのSELinuxのトラブルを解消するためのツール「SELinux Troubleshooter」などが搭載されています。

 先進性という点を除くと,どちらかといえば,個人ユーザーのデスクトップ利用に向いたLinuxディストリビューションに分類されます。しかし,サーバー向けの機能やセキュリティ機能も充実していますので,ソフトウエアの更新などに気を付ければサーバー用途にも利用できます。

 ここでは,Fedoraプロジェクトが公開しているインストールDVD(PC AT互換機用)を用いた場合のインストール方法を紹介します。ちなみに,Fedora Core 6のインストールDVDは,日経Linux2006年12月号(2006年11月8日発売)の付録DVD-ROMに収録されています。

 また,日経Linux2007年4月号(2007年3月8日発売)の付録DVD-ROMにも,Fedora Core 6の最新版(2007年1月時点までのアップデートが反映されたバージョン)が収録されています(2007年3月8日追記)。


インストールの前に

 インストール時にトラブルを避けるには,事前の準備が欠かせません。作業に取り掛かる前に次の6点を確認してください。

 (1)インストール作業の前に,DVD-ROMから起動するようパソコンのBIOSを設定します。また,Fedora Coreでは起動フロッピのイメージは同こんしません。USBメモリーなど起動可能な大容量のメディアが使用できる場合は,DVD-ROM内の「\images\diskboot.img」イメージを書き込むことで,そのメディアからの起動が可能です。

 (2)WindowsとLinuxをインストールしておき,起動時に利用するOSを選択するには,あらかじめWindowsの起動ディスクを作成しておくことをお勧めします。Linuxのインストールが正常に終了しなかったときにWindowsを起動するには,この起動ディスクが必要な場合があるためです。Linuxを削除してWindowsだけが起動する環境に戻すときには,ハード・ディスクの先頭領域にあるMBR(マスター・ブート・レコード)に,Windowsを起動するプログラムを書き込む必要があります。それには,Windowsの起動ディスクを使って起動し,コマンド・プロンプトで「fdisk /mbr」を実行します。Windows XPや同2000では,Windows回復コンソールを利用します。

 (3)使用するパソコンによっては,Linuxをインストールしただけでは利用できないデバイスがあります。例えば,ギガビット対応のイーサネット・カードや無線LANなどです。ベンダーなどが対応ドライバを公開している場合があります。

 (4)特にWindowsパソコンにLinuxを追加ストールする際には注意が必要です。誤った手順により,ハード・ディスクのWindows側の領域を消去してしまう可能性があるからです。Linux専用のパソコンやハード・ディスクを用意して,そこにインストールすることをお勧めします。

 (5)Fedora Core 6には多数のパッケージが用意されています。インストールの手順10で「オフィスとプロダクティビティ」「ソフトウェア開発」「Webサーバー」のチェックを外してインストールすることで容量を2Gバイト程度にできます。また,「即時カスタマイズ」でインストールするパッケージを独自に選択しなおすことでさらに容量を減らすことができます。

 (6)AIGLXを利用する場合は,対応したグラフィック機能がシステムに搭載されている必要があります。また,ATI製やNVIDIA製のグラフィック・チップおよびカードの場合は別途ドライバをインストールする必要があります。