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質問

rootのパスワードをうっかり忘れてしまった

回答

シングル・ユーザー・モードで起動すれば,ユーザー名やパスワードを入力することなく,root権限でシェルが起動します。このシェルからパスワードを再度設定します。


難易度:★★★ 対象ディストリビューション:すべて

 前任者から引き継ぎを受けていないLinuxサーバーの管理を任されてしまったためにrootのパスワードが分からない場合や,rootのパスワードをうっかり忘れてしまった場合には,rootのパスワードを再設定します。

 〔Ctrl〕キーと〔Alt〕キーと〔Delete〕キーを同時に押してパソコンを再起動させ,そのときにシングル・ユーザー・モードを指定します。シングル・ユーザー・モードとは,ユーザー認証がなく,root権限でLinuxを操作できるモード*3で,メンテナンス用に用意されています。ネットワーク機能は無効で,最小限のファイル・システムのみがマウントされます。

 シングル・ユーザー・モードで起動するためには,カーネルに「1」または「single」というパラメータを与えます。起動時に,カーネルにパラメータを与える方法は,ブート・ローダーの「LILO」と「GNU GRUB」(以下,GRUB)で異なります。

 LILOの場合には,「boot:」と表示されたら,〔Tab〕キーを押します*4。「linux」などのラベル名が表示されます。ラベル名と,パラメータの「1」または「single」を入力します。

boot: linux 1

 これで,Linuxの起動処理が始まります。「#」のプロンプトが表示されたら,そのシェルはシングル・ユーザー・モードで起動しています。

 一方,GRUBでは写真4のような画面が表示されたら,「Fedora Core (2.6.11-1.1369_FC4)」などのラベル名を選択し,〔E〕キーを押します*5。次の画面では先頭に「kernel」と書かれた行を選択し,また〔E〕キーを押します(写真5)。

写真4●GNU GRUBの起動画面
写真4●GNU GRUBの起動画面
起動するOSを選択したり,OS起動時の設定を編集できます。


写真5●Linuxの起動設定を書き換える
写真5●Linuxの起動設定を書き換える
シングル・ユーザー・モードで起動するようにLinuxの起動設定を書き換えます。

 「grub edit> kernel /vmlinuz-2.6.11-1.1369_FC4 ro root=/dev/VolGroup/LogVol00 rhgb quiet」などと表示されますから,その行の最後に,パラメータの「1」(または「single」)と入力して〔Enter〕キーを押します。

 「kernel /vmlinuz-2.6.11-1.1369_FC4 ro root=/dev/VolGroup/LogVol00 rhgb quiet 1」のように「1」(または「single」)が追加されたことを確認して,〔B〕キーを押します。

 LILOのときと同様にLinuxの起動処理が開始され,「#」のプロンプトが表示されたら,そのシェルはシングル・ユーザー・モードで起動しています。シングル・ユーザー・モードでシェルが起動したら,passwdコマンドで新しいパスワードを設定します(図7)。

図7●パスワードの再設定
図7●パスワードの再設定

 最後に,「reboot 」を入力して再起動すれば,先ほど設定したrootのパスワードでログインができます。