森屋英治(もりや ひではる)。アークウェイ 代表取締役社長

 Webの世界では,もはやデザイナーというのはコモディティ化しています。しかし,これからはエンタープライズ・アプリケーション開発における,リッチなデザインの需要が生まれてきます。これは,まったく新しい市場(マーケット)です。デザイナーの皆さんは注目してほしいと思います。

 従来,エンタープライズ・アプリケーションといえば,表や明細などのグリッドを使った機能優先の表現のものが主流で,ユーザー・インタフェースの面ではあまり関心がもたれていませんでした。しかし,WPF(Windows Presentation Foundataion)技術が使えるようになってくると状況が変わってきます。これからはデザイナーとデベロッパがより密接にコラボレーションして作る,新しいエンタープライズ・アプリケーションの世界が出てくるでしょう。エンタープライズ・アプリケーション 2.0とは,アプリケーションの機能にリッチなエクスペリエンス(ユーザー・インタフェース)を備えたものと言えると思います。

 次世代のユーザー・インタフェース開発では,(1)2Dや3Dなどの技術的な統合,(2)GPUをフル活用したベクトル・グラフィックス,(3)XAML(Extensible Application Markup Language)のような宣言型プログラミングがポイントとなるでしょう。WPFを単なる新技術と考えず,大きなイノベーション(革新)と捉えてほしいと思います。

「REMIX Tokyo」の森屋氏の講演から)