前回に引き続き,10月6日から8日まで東京・有楽町交通会館で開催されたオーディオ関連ショー「ハイエンドショー・トウキョウ2006」に出展されたスピーカを紹介する。

コンバックコーポレーション

 同社は,海外で高い評価を得ているReimyoブランドのアンプ,CDトランスポート/プレーヤ,DACを開発・販売しているが,2003年3月に発売したスピーカ「BRAVO!」(2台で35万7000円)専用のスピーカ台の試作機「Dinosaur」を出展した。価格は未定。2006年内に発売の予定である。BRAVO!は,ニアーフィールド・スタジオ・モニターで,17cmのウーファと2.5cmのアルミニウム・ドーム・トゥイータのコアキシャル・スピーカ(ノルウェーのシアーズ製)を採用している。ニアーフィールド・スピーカとは,スピーカの近くで聴くためのもの。小さな部屋や中規模の部屋,あるいはスペースの限られた場所で使用できるように設計されている。大きさは幅190mm×高さ290mm×奥行き280mm。


図1●コンバックBRAVO!

アポロンインターナショナル

 同社は,フランスのアンプ「YBA」や,米国の高級ケーブル「TALA LABS」と「MAGNAN」の輸入で知られているが,カナダのReference 3A社の「MM de Capo-i」(2台で71万4000円。2004年9月発売。専用台は21万円)を出展した。小出力の真空管アンプで駆動することを前提に設計され,入力感度は92dB/w/mと小型スピーカにしては高い。ウーファは自社製の21cmカーボン・コーン,トゥイータはカスタム・メイドの2.7cmソフト・ドームである。フロント・バッフルが傾斜しており,この傾斜と外側に配置されたトゥイータとの相互作用で,角度をつけずに真っすぐ正面に配置することで,定位と音場空間の広がりが得られる。


図2●左がReference 3A社のMM de Capo-i。右はパストラル・シンフォニーのCz302ES

Sunny Cable Technology

 サンフランシスコにある同社は,高級ケーブルとスピーカを開発・販売している。このショーには新開発のスピーカ「H2W10」を出展した。同社が特許出願中の“Time Accurate”な技術を採用した,2ウェイのスピーカ。ウーファは25cm,中高域は2.5cmのコンプレッション・ドライバを22cmのホーンにインストールしている。エンクロージャは厚さ2.5cmのMDFを使用。幅30.5cm×高さ107cm×奥行き40.6cm,重さ55kg。米国での価格は2台で約6000ドルである。


図3●Sunny Cable Technologyの「H2W10」


図4●H2W10の裏面。ケーブルの配線の様子。緑色の細いケーブルはアース用


図5●電源ケーブルの音質を整える“The Box”


図6●アンプ(Ayre Acoustics社製)の背面。Sunny Cable Technologyの極太の信号ケーブル,電源ケーブル,スピーカ・ケーブルが這い回っている

ハイ・ファイ・ジャパン

 同社は,ドイツのAcoustic Arts(アンプ,CDプレーヤ,スピーカ),イギリスのMonitor Audio(スピーカ),イギリスのCreek Audio(アンプ,CDプレーヤ),などを輸入・販売している。このショーではMonitor Audioの新製品とAcoustic Artsのアンプ,CDトランスポート,DAC,アンプの新製品を出展した。Monitor Audio Silver RS5は2台で12万6000円。2006年12月1日発売予定である。

 Silver RSの新しい製品として,スリムな「Monitor Audio Silver RS5」が加わる。特徴は次の通り。
・2ウェイ・フロアー型(防磁)リアーポート・バスレフ
・使用ユニット : 2.5cmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,15cm C-CAM中低域ユニット
・小型のRS1の良さ「シャープなフォーカス」「解像度の高さ」「位相の正確さ」を保持
・ゴールド・ドームC-CAMトゥイータは30kHzまで伸び,より広帯域,より明快,よりスムーズな再生が可能(RS8では40kHzまで拡張)
・C-CAMコーン・ドライバ
・コーン素材をC-CAMに共通化,音色の一元化を計る
・ローズナット,ウォールナット,チェリー,ナチュラル・オーク,ブラック・オークの5色

 Monitor Audio Silver RSW12 Gloss Blackサブウーファは,18万9000円で2006年12月1日発売予定である。特徴は以下の通り。
・使用ユニット : 300mm C-CAMユニット,76mm ロングストローク・ボイスコイル,トリプル・サスペンション,ダブル・マグネット
・内蔵アンプ : 実効出力500W,最大出力1000W,デジタル級
・寸法 : 幅34cm×高さ34cm×奥行き37cm
・重量 : 25.5kg


図7●Monitor Audioの新製品。左はミドル・クラスのSilver RS5,中央は,エントリ・クラスのBronze BR5,右はBronze BR6

 Monitor Audioのエントリ・モデルの新製品Bronze Referenceシリーズ。2006年11月1日発売予定。4種類のフロント・スピーカ,1種類のセンター・スピーカ,1種類のエフェクト・スピーカ,1種類のサブウーファがある。色はチェリー,ウォールナット,ブラックの3色。

 Bronze BR1は2台で3万9900円。特徴は次の通りだ。
・形式 : 2ウェイ・ブックシェルフ型(防磁)リアポート・バスレフ
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,140mm MMP Mk2中低域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 70W
・能率 : 88dB
・周波数特性 : 55Hz~30kHz
・寸法 : 幅165mm×高さ260mm×奥行き180mm
・重量 : 8.7kg/2台
・備考 : シングル・ワイヤ接続Gold SPターミナル


図8●上はBronze BR1,下はサブウーファのBronze BRW10

 Bronze BR2(2台で5万400円)の特徴は次の通りである。
・形式 : 2ウェイ・ブックシェルフ型(防磁)フロント・ポート・バスレフ
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,165mm MMP Mk2中低域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 100W
・能率 : 90dB
・周波数特性 : 42Hz~30kHz
・寸法 : 幅185mm×高さ350mm×奥行き250mm
・重量 : 13.3kg/2台
・備考 : バイ・ワイヤリング対応Gold SPターミナル


図9●Bronze BR2

 Bronze BR5(2台で9万2400円)の特徴は以下の通り。
・形式 : 2.5ウェイ・フロアー型(防磁)デュアル・チェンバ,フロント&リアポート・バスレフ
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,2×140mm MMP Mk2中低域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 120W
・能率 : 90dB
・周波数特性 : 36Hz~30kHz
・寸法 : 幅165mm×高さ850mm×奥行き247mm
・重量 : 14.0kg/2台
・備考 : バイ・ワイヤリング対応Gold SPターミナル

 Bronze BR6(2台で12万7050円)の特徴は以下の通り。
・形式 : 2.5ウェイ・フロアー型(防磁)デュアル・チェンバ,フロント&リアポート・バスレフ
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,1×165mm MMP Mk2中域,2×165mm MMP Mk2低域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 150W
・能率 : 90dB
・周波数特性 : 33Hz~30kHz
・寸法 : 幅200mm×高さ970mm×奥行き300mm
・重量 : 20.4kg/1台
・備考 : バイ・ワイヤリング対応Gold SPターミナル

 Bronze BRLCR(1台3万3600円)の特徴は以下の通り。
・形式 : 2.5ウェイ,3スピーカ,密閉型(防磁)
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,2×140mm MMP Mk2中域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 120W
・能率 : 90dB
・周波数特性 : 60Hz~30kHz
・寸法 : 幅460mm×高さ164mm×奥行き163mm
・重量:6.8kg
・備考 : バイ・ワイヤリング対応SPターミナル,Gold SPターミナル

 Bronze BR-FX(2台で5万400円)の特徴は以下の通り。
・形式 : 2ウェイ,3スピーカ,密閉型(防磁)
・使用ユニット : 2×25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,140mm MMP Mk2中低域ユニット
・インピーダンス : 6Ω
・許容入力 : 80W
・能率 : 88dB
・周波数特性 : 65Hz~30kHz
・寸法 : 幅290mm×高さ285mm×奥行き130mm
・重量 : 8.0kg/2台
・備考:バイ・ワイヤリング対応SPターミナル,Gold SPターミナル

 Bronze BRW10(2台で7万6650円)の特徴は以下の通り。
・形式 : アンプ内蔵バスレフ型サブウーファ
・使用ユニット : 250mmロングスルー・MMP2ユニット
・内蔵アンプ : 150W(RMS)Class D
・周波数特性 : 27~120Hz
・クロスオーバー : 40~120Hz可変
・寸法 : 幅320mm×高さ320mm×奥行き340mm
・重量 : 15kg
・備考 : オートOn/Off,ゲイン&クロスオーバー可変,位相は0~180可変,オーディオ/シネマ切り替えスイッチ(シネマにて30Hzで3dB向上)


図10●真中の黒い製品がエフェクト用Bronze BR-FX,その下はセンター用Bronze BRLCR

 Monitor Audio Radius 720(1台6万6150円,2006年12月1日発売予定)の特徴は以下の通りである。
・42インチと50インチのプラズマ・ディスプレイの縦と横にフィットしたデザイン
・25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ
・C-CAMを張り合わせた100mmMMP2コーン・ドライバ(2台)
・形式 : 2ウェイ壁掛け型(防磁),ツインポート・バスレフ
・使用ユニット : 25mmゴールド・ドームC-CAMトゥイータ,
・2×100mm MMP2中域ユニット
・インピーダンス : 8Ω
・許容入力 : 120W
・能率 : 90dB
・周波数特性 : 50Hz~25kHz
・寸法 : 幅120mm×高さ760mm×奥行き105mm
・重量 : 4.3kg/1台
・備考 : 取り付け金具,テンプレート,取り付けネジは付属。専用スタンド「R225 Stand」(1万4700円/2台)を用意

 Monitor Audio Radius 720 サブウーファ(1台12万6000円,2006年12月1日発売予定)はRadius 250にマッチするサブウーファである。特徴は次の通りだ。
・形式 : アンプ内蔵・リアポート・バスレフ型サブウーファ,25mm MDFキャビネット
・使用ユニット : 2×200mmペーパーコーン・バスユニット
・内蔵アンプ : 実効出力250W
・周波数特性 : 40~180Hz
・クロスオーバー : 40~180Hz可変
・位相 : 0°または180°切替
・クロスオーバー : クロスオーバーとLEF入力の切替
・ライン入力 : 20kΩ,ゲイン可変。ライン出力も装備。さらにスピーカの入/出力も装備
・電源 : AC100V,オートOn/Off設定
・寸法 : 幅255mm×高さ455mm×奥行き480mm
・重量 : 20.1kg


図11●左からMonitor Audio Radius 720サブウーファ,同Silver RSW12 Gloss Blackサブウーファ,同Radius 250スピーカ


図12●トップエンドのMonitor Audio Gold Signature GS60。2台で68万2500円