米Microsoftのオブジェクト指向技術を使ったソフトウエア部品。通常のアプリケーション・プログラムを構成する部品として利用されるほか,Webコンテンツの一部としてWebサーバーからダウンロードさせることで,HTMLだけでは難しい複雑な表示や処理をWeb環境で実現できるようにする。

 ActiveXコントロールは,MicrosoftがもともとWindows向けに開発を進めてきたOLE(Object Linking and Embedding)やCOM(Component Object Model)といったオブジェクト指向技術がベースとなっている。これらの中でソフトウエアを構成する部品として位置付けられていたOLEコントロール(OCX)を,インターネットの爆発的な普及に合わせてWeb環境でも使えるように改良したのがActiveXコントロールである。具体的には,ネットワークからのダウンロードや実行に必要なインターフェースだけを必須とするなど,最低限装備する必要がある機能を大幅に軽減している。

 ソフトウエアの基本部分は従来のOCXと変わっていないため,Windows をはじめとするクライアントの機能をフルに利用した部品が作成できる。また,x86などハードウエアのアーキテクチャに依存したネイティブ・コードとなっており,Web上で同様の環境を実現するJavaアプレットに比べて実行速度が速い。その半面,ダウンロード先のマシンを操作するようなプログラムも作れるなど,セキュリティ面ではJavaよりも弱い。そこで,Microsoftでは暗号技術を使用したデジタル署名でセキュリティを高めるようにしている。具体的には,ActiveXコントロールには作成者を証明する署名を付加するようになっており,インターネットでダウンロードした際に作成元を示すダイアログを画面に表示する。