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第3回 物理環境からの移行とゲストOSの大量展開

日本アイ・ビー・エム 荒井 利枝

2006/10/31

 これまでVMware ESX ServerでゲストOSを稼働させるのに必要な構成について説明したが,ここでは既存の物理サーバーから仮想マシンへの移行方法や,ゲストOSの大量展開方法,そしてVMware ESX Server自身の大量展開方法について紹介する。

物理サーバーから仮想マシンへ

 複数のサーバーを統合する際,既存の物理サーバーから仮想マシンへのOS移行方法を検討する必要がある。仮想マシン上にOSやアプリケーションを新規導入することも可能だが,移行ツールを利用することで,OSの再インストールや複雑なアプリケーションの再構成が不要になり,移行時間を短縮できる。移行ツールの代表的なものとしてVMwareの「P2V Assistant」,PlateSpinの「PowerConvert」が挙げられる。

 P2V Assistantは,物理サーバーのイメージを取得し,デバイス・ドライバを仮想ハードウエア用に置き換えて,仮想マシンを作成するツールである。物理サーバーを「P2V boot CD」から起動し,VMware ESX Server上の仮想マシンに対してネットワーク経由で物理マシンのOSイメージ(ディスク・イメージ)を転送する。P2V Assistantを利用して移行するには,「ソース・マシン」「ヘルパー・マシン」「ターゲット・ディスク」という3つの構成要素が必要である(図1)。

図1●P2V Assistantの構成要素
図1●P2V Assistantの構成要素

 ソース・マシンは移行元の物理サーバーである。Hardware Compatibility Guideには,ソース・マシンとして稼働確認済みのハードウエアが記載されている。

 ヘルパー・マシンは,「P2V Assistant Application」を導入する仮想マシンである。Windows 2000/2003/XP/NT 4.0がインストールされている必要がある。

 ターゲット・ディスクは,ソース・マシンから取得したイメージを格納するための仮想ハードディスクである。ソース・マシンからイメージを取得後,新規仮想マシンの仮想ハードディスクとして利用する。

P2V Assistantで移行

 実際にP2V Assistantで物理サーバーから仮想マシンに移行する具体的な手順は次の通りだ。

(1)ヘルパー・マシンの電源をオフにした状態で新規に仮想ハードディスクを作成し,ヘルパー・マシンに追加する。これがターゲット・ディスクである。ヘルパー・マシンの電源を投入し,追加した仮想ハードディスクに対してドライブ番号を指定し,ゲストOSからアクセスできるようにする。

(2)ソース・マシンをP2V Boot CDで起動し,ヘルパー・マシンのIPアドレスを指定する。

(3)ヘルパー・マシン上でP2V Assistantを起動する。イメージの格納先として(1)で追加したドライブを指定する。P2V Assistantはソース・マシンのハードディスクの内容を,ターゲット・ディスクに丸ごとイメージ・コピーする。このとき,デバイス・ドライバを仮想マシン用に置き換える。

(4)ヘルパー・マシンをシャットダウンし,(1)でマウントしていたターゲット・ディスクをアンマウントする。

(5)新規仮想マシンを作成し,(4)でアンマウントしたターゲット・ディスクをこの仮想マシンで使うように割り当てる。

 上記の手順で,物理サーバーから仮想マシンへの移行が完了する。構成上の注意点としては,ネットワーク経由でソース・マシンのハードディスク・イメージをコピーするため,ソース・マシンとヘルパー・マシンが通信可能な環境を構築する必要があることが挙げられる。

>>PowerConvertを使う
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