第1回 1985年以来のアーキテクチャを革新する新技術

 インテルは,「プロテクト・モード」と呼ぶアーキテクチャを採用した32ビット・プロセッサ「Intel386」を1985年に発表した。「Intel Virtualization Technology」は,このプロテクト・モードに,さらに新しいアーキテクチャを追加したもの。今後は,すべてのIAプラットフォームの利用形態を大きく変革させていく核心技術となっていくだろう。プロセッサのアーキテクチャとしてのIntel VTの技術内容を,既存のソフトウエアのみによる仮想化手法と対比しながら解説する。


第2回 チップ・セットに支援機能を搭載してI/Oを仮想化

 前回紹介した「VT-x」と「VT-i」はCPUを仮想化する技術である。これに対して,「ダイレクトI/Oテクノロジー(VT-d)」は,I/Oを仮想化する技術だ。特に,チップ・セット,I/Oコントローラ,メモリー・コントローラの部分を担うのがVT-dである(図1)。以下では,このVT-dについて詳しく解説する。