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連載 Web 2.0時代のソフトウエア開発手法

第22回 “時間割”を作り,タイムボックスを意識して作業する

2006/10/12 ITpro

 TRICHORDチームでは,チームの1週間の時間割(以下「週作業時間割」と呼ぶ)を壁に張り出している。月~金の5日間について,9時45分~18時45分までをコマ割りし,各メンバーの作業内容を書き込んだものだ。

 コマ割りは,2時間×3=6時間を中心として,朝15分,夕方15分のスタンドアップ・ミーティング,1.5時間の昼食,および30分のインターバルを2回で構成している。一般に,人間の集中力がもつのは90分だと言われている。大学などの授業が90分で構成されているのもその理由らしい。もちろん個人差はあるが,集中力はそれほど長く続かないということであろう。2時間(=120分)という時間は90分と比べて長いと感じるかもしれないが,120分の中でトイレ休憩などをすることを考えると,とりわけ長いとは言えない。

 また,2時間×3=6時間は「ボーッとしている時間がほとんどない,非常に濃密な時間である」ことにも着目してほしい。ほとんど休むことなくペアになり,タスクについて頭を巡らせ,対話し,手を動かし続ける6時間であるということだ。


写真1 TRICHORDチームの週作業時間割の例
[画像のクリックで拡大表示]

 人間には休憩が必要だ。特にソフトウエア開発のような知的生産活動は,体力もさることながら,頭を使うことになるため,適度なリフレッシュやエネルギー補給が必要になる。TRICHORDチームが採用しているペア作業は,頻繁に会話しながら進めるため,集中を要求され特に頭が疲れる。

 休憩時間は作業時間の中に組み込まれていて,各自の裁量でとるのが一般的だろう。TRICHORDチームでは,30分のインターバルで強制的に休憩の機会を与えている。メンバーは,この間にメールの送受信や,Webのチェックなどもする。加えて,時間割の中で強制的に休憩をとらせることは,メンバーの燃え尽き防止にもなる。細かいダッシュとインターバルの繰り返しで,持続的に前に進むのだ。

 また2時間というコマを意識していると,作業をできるだけその単位で切ろうという意思が働く。その結果,大き目の作業は2時間単位で分割するようになる。「全体で8時間かかる」と大きく見積もるよりも,「2時間の作業が4つある」として考えるほうが,途中経過まで含めて判断できるため都合がよいことが多い。もちろん分割しづらい作業もある。しかしその場合でも,8時間連続で作業するのではなく,2時間ごとに状況と見通しを確認できるという利点が得られる。

 作業によっては,どのくらい時間がかかるかを見積もるのが難しい場合もある。このような場合には,作業時間を決めてとりあえずやってみるのがよい。やってみることで,モヤモヤとした見通しの悪い状況がクリアになる場合があるからだ。つまり,作業の前にあれこれ考えて時間を浪費するよりも,まず時間を決めて作業を実施し,そのフィードバックを受けて,次のステップを踏み出すほうがよいということである。

 とはいえ,「1時間」と時間を決めて作業していても,「もう少し,もう少し」とずるずる作業を延長してしまうことは少なくない。時間割でコマを明確に区切ることで,このような“延長戦”を抑制できる。強制的に時間の切れ目をつけることによって,「丸1日ズルズルとハマってしまった」という状況を極力回避できるのだ。

 2時間のコマで区切ることは,いわゆる「ハマってしまった」状態に対して2時間という単位で見直しをかけることができることを意味する。ハマってしまった場合は,一度小休止して頭をクリアにしたり,別の視点で考えてみたりすることで問題を解決できることがある。さらに,コマの区切りはペアの交代タイミングでもある。ある作業でハマっていても,別の人が担当することで,ハマリ・ポイントを脱する可能性がある。

 このように,作業時間割+コマ割りというプラクティスは,タイムボックスを強く意識して仕事を進めるのに大変有効だ。それが,集中力を高めつつ,持続的に作業することにつながると筆者は考えている。

懸田 剛

チェンジビジョンでプロジェクトの見える化ツール「TRICHORD(トライコード)」の開発を担当。最近,ハックという言葉よりも“工夫”という素晴らしい日本語があることを再認識した。工夫の積み重ねが“功夫”になる。個人サイトはhttp://giantech.jp/blog

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