(3)パラメータを設定する

 カーネル2.4.29のパラメータは大きく32種類のカテゴリに分かれている(表3)。このカテゴリ内には多岐にわたる設定項目が用意されている。まずは,自分Linuxで明らかに使用しない機能から無効にしていこう。

表3●カーネル2.4.29におけるカーネル・パラメータの分類
表3●カーネル2.4.29におけるカーネル・パラメータの分類 [画像のクリックで拡大表示]

 カテゴリ「Code maturity level options」を見ていただきたい。このカテゴリ内の「Prompt for development and/or incomplete code/drivers」では,実験または開発段階の不安定なプログラムの利用の有無を設定できる。カーネルを安定稼働させるためには,この項目を「無効」(「*」マークを外す)にしておこう(写真3)。すると,そのほかのカテゴリに含まれる,設定項目に「EXPERIMENTAL」と書かれたパラメータがすべて無効(設定から消される)になる。例えば,「IEEE 1394(FireWire) support(EXPERIMENTAL)」のカテゴリが消える。

写真3●実験または開発段階の不安定なプログラムの利用を無効にした
写真3●実験または開発段階の不安定なプログラムの利用を無効にした

 このほか,図4に示したカテゴリに含まれるパラメータの設定は不要だ。各カテゴリを選び,最初の項目を無効([*]または<M>を[ ]または< >に変更)にしよう。残ったカテゴリは,自分Linuxの仕様に合わせて設定していく。なお,設定内容を記していないパラメータは,すべて無効にした。

図4●自分Linuxでは設定不要なカテゴリ
図4●自分Linuxでは設定不要なカテゴリ

●Loadable module support
 モジュールを動的に組み込むタイプのデバイス・ドライバに関する設定である。今回は図5のように設定する。「Set version information on all module symbols」の,カーネルのバージョンをすべてのモジュールに付与するパラメータは無効にした。

図5●Loadable module supportに関する設定
図5●Loadable module supportに関する設定

●Processor type and features
 CPUに関連する設定である。最初のパラメータは,CPUの種類を設定する。カーネル2.4.29で選択できるCPUの種類は表4の通りである。筆者の環境では,「(Pentium-Pro/Celeron/Pentium-II)Processor family」に設定されていた。

表4●カーネル2.4.29で対応するプロセッサ
表4●カーネル2.4.29で対応するプロセッサ

 今回,自分Linux開発マシンがCeleronプロセッサ,自分Linux稼働マシンがVIA EDENプロセッサとPentium4プロセッサを搭載しているため,仕様の異なるx86系CPUで動作させなければならない。これらをサポートするには「586/K5/5x86/6x86/6x86MX」を選択する。このほか,図6の設定を有効にする。

図6●Processor type and featuresに関する設定
図6●Processor type and featuresに関する設定

●General setup
 ネットワークやPCIバス,PCカード,電源管理機能などの有効/無効に関する,カーネルの基本設定である。図7の項目を有効にした。今回,PCカード(PCMCIA)に関連する項目は無効にする。もしノートPCなどでPCカードを使用する場合は,「Support for hot-pluggable devices」を有効にし,「PCMCIA/CardBus support -->」内から必要なパラメータを選んで,有効にしよう。

図7●General setupに関する設定
図7●General setupに関する設定

●Plug and Play configuration
 プラグ・アンド・プレイに関する設定である。自分Linux開発マシンや稼働マシンにはISAバスがないため,

<M> Plug and Play support
のみ,モジュールで組み込むようにして「ISA Plug and Play support」は無効にする。

●Block Devices
 ハード・ディスク装置やCD-ROMなどのブロック型デバイスに関連する設定である。RAIDカード・コントローラやシリアルATAコントローラなどの設定もあるが,これらは自分Linuxでは不要なため,図8で示したパラメータ以外は無効にする。なお,RAMディスク・サイズはあらかじめ256Mバイトに設定しておこう。

図8●Block Devicesに関する設定
図8●Block Devicesに関する設定