カナダのオンタリオ州では,土地の所有権にまつわる詐欺が一部で広まっているらしい。

 この詐欺は,「何者かがある家の持ち主になりすまし,家主に黙って家を売ってしまう」というものだ。元の持ち主は抵当に対する責任を負ったまま,家に入ることができなくなってしまう。問題を解決するには多くの時間と手間がかかる。

 この問題の原因は“経済的な動機”にある。仮に銀行が不正な抵当に対して責任を持つなら,問題はたちまち解決するはずだ。銀行は,責任を問われない限り,この詐欺を未然に防ぐ動機を抱かない(詐欺によって金銭的コストが発生するので,銀行にもいくらかの動機はある。しかし多少の詐欺では,損害が全抵当を一つずつ検査するのに必要なコストを上回らないため,銀行は単に問題を無視し,詐欺の損害をそのまま受け入れるだろう)。

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◆オリジナル記事「Land Title Fraud」
「CRYPTO-GRAM September 15, 2006」
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◆Bruce Schneier氏は米Counterpane Internet Securityの創業者およびCTO(最高技術責任者)です。Counterpane Internet Securityはセキュリティ監視の専業ベンダーであり,国内ではインテックと提携し,監視サービス「EINS/MSS+」を提供しています。