「データベース(DB)システムを裏側で稼動させている企業サイトが急増しています」――これだけ書くと数年前に語りつくされたニュースです。確かに大企業は,自社のWebシステムに何億円という規模の投資をしてデータベースの活用を推進してきました。
では中小企業ではどうでしょうか。
私は現職のWebプログラマです。多くの開発案件にタッチしてきましたが,大多数の中小企業にはそんな予算はありません。自社サイトはレンタル・サーバーだったり,ドメインを契約プロバイダ上で構築しているという規模(年間維持費20万~100万円)がほとんです。WebやDBについて深い知識のある担当者もいません。
しかし,ここ3年ほど,こうした小さな規模の企業サイトから,続々とデータベースを組み込んだWebシステムの開発依頼が舞い込んでくるようになりました。もはや,Web+DBシステムは,Webサイトの規模に関係なく常識となりつつあるようです。
そこでこの連載では,プログラマやSEといったソフトウエア・エンジニアではなく,デザイナーやWebサイト・マネージャなど「Web+DBって何?」という方を対象に,Web+DBサイトの“今”を語ってみたいと思います。
データベースって何? システムはどう企画されたの? システム構築時に相談のポイントは? 納期は? 経費はいくらかかるの?――。
こういった素朴な疑問に答えていきましょう。もちろん守秘契約があり,すべてを詳細に語ることはできませんが,話しうる範囲の中で,できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
- 第1回 どうしてWeb+DBが求められるようになってきたのか
- 第2回 データベースにどうやってデータが入ってくるのか
- 第3回 あらかじめ管理・分析するためのデータを洗い出す
- 第4回 会議で恥をかかないデータベースの構造の基本知識
- 第5回 データベースに出てくる数値の意味を知る
- 第6回 SQLデータベースの核心,SQL文とリレーションシップ
- 第7回 システムを実装する「サーバー」についての基礎知識
- 第8回 開発中に用意しなくてはならないもの
- 第9回 最終テスト! 開発との折衝のポイント -- 関係悪化を防ぐために
- 第10回 サイトに付加機能を導入するときの考え方