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第51回 天下りは、果たして悪なのか--常識への挑戦公務員の「天下り」は一般に悪とされる。確かに官民癒着や談合の温床になりうる。だが天下りはなくならない。なぜなら一定の合理性と意味があるからだ。今回は天下りを客観的に評価してみよう。 具体例を見てみる。たまたま大阪市役所は、先般、市政改革の一環として今春退職した課長級以上の元幹部職員313人の氏名、再就職先名、役職を全部公表した。再就職したのは220人。うち122人が外郭団体にそして41人が民間企業に再就職した。企業の中には公共事業の請負い業者などもあった。他の自治体でここまで公表している例は少ないが、この数字は政令市や県庁の標準的な姿とみてよい。 ■賛否両論さまざまな意見--市民・受け入れ先・本人さて天下りをどう評価するか。市民感情はだいたいこういうものだ。
一方、天下りを受け入れる側の心理はどうか。
ご本人はどうか。
■再就職と官民交流の合理性--官から民への再就職はもっと増えていい以上の意見は筆者が接した人たちの標準的な意見だ。天下りにはもちろん悪質なケースもある。霞ヶ関の場合、企業側が「迷惑」「押し付け」と明言する場合も多い。だが筆者は、天下りとは実はその時代掛かった言葉とは裏腹に原理原則だけをとらえれば必ずしも批判に値する事柄ではないと考える。 なぜなら第一に雇用の流動化の流れに沿っている。第二に官民交流を促進する。第三に誰しも60歳以後の第二の人生は、得意なこと、やりたいことで過ごす権利がある。第四に少子高齢化社会では60歳を過ぎても働いてもらったほうが国民経済的にはよい。 個々の事例を見るとかつてのような破格の厚遇はまれだ。順送り人事も減りつつある。仕事仲間から名指しで「ぜひ来てくれ」と招聘されるケースが増えている。健全なプロセスでの再就職ならばもはや「天下り」と呼ぶべきではない。要はケース・バイ・ケースである。いわゆる「天下り」の再定義が必要だ。 筆者が考える「天下り」の定義とは、
将来的はおそらくこれまでのような天下りはどんどん減っていく。外郭団体も縮小されていく。だが官から民への再就職自体はなくならない。有能な人材は個々の事情でもっと大胆に企業に再就職していく。また若い頃に民間出向をしていた人材も増える。やがて「官から民へ」の人材移動自体がさほど特別の意味をもたなくなるはずだ。 筆者はいわゆる「天下り」は根絶すべきだと考える。だが官から民への再就職はもっと大々的に増えてよいと考える。その意味で今般、大阪市役所が再就職の実態をオープンに公開したことは絶賛に値する。第二の職場に移られた220人の方々も、受け入れる企業や団体も、「市民から見られている」という実感を持つ。お互いに緊張感を持った関係からスタートできる。 こうした情報公開を重ねていけば、いわゆる「天下り」の負の側面が次第に浄化されていくはずだ。公務員にも60歳からの再チャレンジのチャンスは与えられるべきだ。全国の「公務員OBフレッシュマン」の方々には暖かい拍手を送りたい。
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