10月24日から始まる携帯電話の番号ポータビリティ。契約先の携帯電話会社を変更しても同じ電話番号を引き続き使用できるようにする仕組みを用意する。これまで,電話番号が変わるために携帯電話会社を変更できなかったユーザーにとって,番号ポータビリティの開始は朗報であろう。

 それでは,番号ポータビリティは,実際にどのような仕組みで実現しているのだろうか。実際,同じ番号のまま事業者が変わると,既存のルーティング方法に不都合が起こる。「転送」と「つなぎ直し」の二つの方式を併用することで,この問題を回避するようにしたのである。

 ユーザーが行う手続きや手数料の実際,ルーティングの仕組みなどを全5回の集中連載で解き明かす。

【1】 同じ番号で携帯電話会社を変更

【2】 手数料は3事業者とも横並び

【3】 呼のルーティングは二つの方式を併用

【4】 移行時の致命的な障壁は少ない

【5】 FMCでも番号ポータビリティが可能に

吉田 宏平(よしだ・こうへい) 総務省 前・番号企画室課長補佐

1994年に郵政省入省。電子署名法,電波開放戦略,携帯電話の新規参入などに従事。2006年7月31日まで総務省総合通信基盤局電気通信技術システム課番号企画室の課長補佐。現在は行政管理局で国の組織・定員などの査定を担当する。