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テレコム・インサイド

日本のAsterisk最新事情(2)
Asteriskのポテンシャル

価格からは見えない“オープンソースの凄み

山崎 洋一=日経コミュニケーション 2006/10/10 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2006年10月1日号
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧
  図1 Asteriskが秘める可能性
サード・パーティのアプリ,ベンダー縛り,そして価格 (クリックすると画面を拡大)
  図1 Asteriskが秘める三つの可能性

 オープンソースのIP-PBXソフト「Asterisk」を導入する企業が徐々に増えている。実は,Asteriskのメリットについての見解はベンダーによって異なる。例えばモバイル・テクニカやチャットボイスのようなアプライアンス(専用機)製品を提供するベンダーは,導入コストの安さを挙げる。これに対して,ソフトウエア製品を提供するターボリナックスはコスト的な長所は限界があるとし,オープン性を利点として挙げる()。

 Asteriskそのものは,もちろん無料で手に入る。十分な性能のハードウエアさえあれば,IP-PBXをタダで構築できる。このためAsterisk製品のベンダーであるASPは,「よほど手間をかけたがらないユーザーでない限り,ソースコードの入手を勧める」(浅田高春代表取締役)と言う。アプライアンスは少なくともハードウエア分の料金がかかるからだ。

 ただし,Asteriskを使えばどんな場合でも安くなるかというと,そうとは言い切れない。アプライアンス製品は中小規模向けであるだけに,価格は10万~50万円程度に抑えられている。ただ,この程度の規模になると,対抗馬はIP-PBXではなくボタン電話になるケースが多い。ボタン電話なら,定価で50万円前後の製品は珍しくない。値引きを考え合わせれば,むしろボタン電話の方が安くなることもある。ソースコードを使う場合は,ユーザーが自力で構築・運用・保守しなければならない。その手間や技術力をシステム・インテグレータなどに求めると,その分のコストがかさむ。結果として,意外に導入コストは安くならない場合が多い。

 このため,ターボリナックスなどは,低コストは必ずしもメリットにならないと主張する。代わりに挙げるメリットが,Asteriskのオープン性だ。具体的にはアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)のオープン性と,電話機のオープン性である。つまり,IP-PBXメーカーやIP電話機メーカーに縛られることなくシステムを構築・運用できる。

 オープンソースであるAsteriskは,APIが公開されているため,ユーザーは自由にアプリケーションを開発できる。それ以上に大きな意味を持つのが,コミュニティの存在である。コミュニティに参加するアプリケーション開発者は,一般公開されたAPIに合わせて自由にソフトウエアを作成できる。例えば携帯電話向けのSymbian OSは,世界中の携帯電話機メーカーが採用。そのユーザーに向けて,多数のアプリケーションが開発されている。ユーザーは自由にアプリケーションを選んで入手し,利用できる。Asteriskも,これと同じ環境を生み出す可能性を秘めている。

 事実,ベンチャー企業の米ジンブラは,同社のコラボレーション・ツールをAsteriskに対応させた。ジンブラは,Ajax(asynchronous JavaScript+XML)を使ってWebブラウザから利用できるコラボレーション・ソフトを提供している。このソフトに組み込まれている「Zimlet」というミドルウエアがAsteriskとの連携機能を持つ。具体的には,コラボレーション・ツール上で会議メンバーのアイコンを,通話アイコンにドラッグ・アンド・ドロップするだけで電話会議を始められる。こうしたソフトが充実すれば,ユーザーは出来合いのソフトを組み合わせるだけで必要な機能を手に入れられるようになる。既存のIP-PBX製品では,ここまでの自由度は望めない。

 このほか,IVR(自動音声応答)機能などが標準搭載されている点や,さまざまなベンダーのIP電話機を利用できる可能性がある点も,Asteriskの利点と言える。

 ただし,こうしたAsteriskのメリットは,あくまでも可能性に過ぎない。現時点では,Asteriskを意識したアプリケーションが豊富にあるわけではない。一方でIP-PBXメーカーもAPIを開示しており,インテグレータを限ればアプリケーションを開発できる環境にある。Asterisk陣営が,どこまで現実的なメリットを打ち出せるか。普及のカギはそこにある。

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