シングル・コアのテスト環境の例。IA32のコア・イメージを搭載しているという
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5コアのテスト環境例の写真
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 米Intel Corp.は,多数のCPUコアを1チップ上に集積したマルチコア型LSIの開発の手法を明らかにした。「Intel Developer Forum(IDF) Fall 2006」(2006年9月26日から米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催)前日に催した報道関係者/アナリスト向けの事前説明会で公開した。

 Intel社は将来の「テラスケール・コンピューティング」に向けておよそ100個のCPUコアの1チップ上への集積を目指している。しかしその際には,ハードウエアだけでなくOSやアプリケーション・ソフトウエアも多数コアの環境へ対応させていく必要がある(関連記事)。

 同社はそうした一連の開発を,想定するCPUコアの数だけFPGAを実装したボードを多数コアのLSIの代わりに用いることで進めているという。「5コアなら5個のFPGA,100コアなら100個のFPGAが必要になる」(同社MicroComputer Research Labs Sr.Staff ResearcherのShih-Lien Lu氏)。FPGAは,米Xilinx,Inc.製。現時点では動作周波数は30MHz,ゲート数が23万ゲートのものを利用している。
 
 開発の内容は例えば,多数コアのチップ上でのMicrosoft Corp.のOS「Window XP」など各種プログラムや新しいCPUコアの動作検証など。「ソフトウエアをいかに並列計算に対応させていくかが大きな課題。スーパーコンピュータやグリッド・コンピューティングで利用するようなMPI(message passing interface)を使うことも検証すべきことの一つ」(同社Lu氏)という。

 ソフトウエアだけでなくハードウエア自身の開発にも利用しているという。「FPGAなので新しい設計のCPUコアをすぐにテストできる。例えば,すべてのCPUコアが同じ機能を持つシンメトリック型だけでなく,CPUコア間で機能の役割分担をするヘテロ型のアーキテクチャもテストできる」(同社Lu氏)。