「クアッドコア・プロセサ時代を迎えた」とIntel社のPaul Otellini氏
「クアッドコア・プロセサ時代を迎えた」とIntel社のPaul Otellini氏
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「次はクアッドコア・プロセサ」と宣言
「次はクアッドコア・プロセサ」と宣言
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Apple社のPhil Schiller氏が登壇し,Intel社製プロセサへの移行の成果を強調した
Apple社のPhil Schiller氏が登壇し,Intel社製プロセサへの移行の成果を強調した
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クアッドコア・プロセサの実力を,3次元グラフィクスを駆使したデモンストレーションで披露した
クアッドコア・プロセサの実力を,3次元グラフィクスを駆使したデモンストレーションで披露した
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サーバ機に向けたデュアルコア・プロセサの出荷計画について紹介した
サーバ機に向けたデュアルコア・プロセサの出荷計画について紹介した
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CPUコアの内部構造(マイクロアーキテクチャ)の今後について紹介した。2008年に「NEHALEM」を,2010年には,「GESHER」を導入する
CPUコアの内部構造(マイクロアーキテクチャ)の今後について紹介した。2008年に「NEHALEM」を,2010年には,「GESHER」を導入する
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 「マルチコア・プロセサは新たな段階へ移行する。クアッドコア・プロセサを11月から出荷する」--。米Intel Corp.の開発者向け会議「Intel Developer Forum(IDF) Fall 2006」が,2006年9月26日(現地時間)から米国カリフォルニア州サンフランシスコで始まった。基調講演に登壇したIntel社 President and CEOのPaul Otellini氏は,CPUコア4個を搭載したいわゆるクアッドコア・プロセサを,2006年11月から順次出荷することを明らかにした。

 「我々はマルチコア・プロセサの先駆者。消費電力当たりの性能を高めて,エネルギー効率の向上に邁進したい」。Otellini氏は,Intel社がノート・パソコンやデスクトップ・パソコン,サーバ機に至る全市場でマルチコア・プロセサ製品を展開中である強調し,同技術に対する実績を誇示した。2006年7月に出荷を開始したデュアルコア・プロセサ「Core 2 Duo」の出荷個数は,60日間で500万個に達したという。「過去のいかなるマイクロプロセサに比べて最速の結果だ」(同氏)(関連記事)。

 講演中にはIntel社製のマイクロプロセサを採用する米Apple Computer, Inc.の幹部が登場し,消費電力の増大を抑えつつ性能を高めるIntel社の取り組みを後押しした。「Intel社のマルチコア・プロセサ製品を採用して以降,市場シェアが急速に伸びている」(Apple社, Senior Vice President of Worldwide Product MarketingのPhil Schiller氏)と語った。

 Otellini氏はクアッドコア・プロセサの出荷計画に関して,デスクトップ・パソコン向けの2品種,サーバー機向けの2品種について明らかにした。デスクトップ・パソコン向けには,まず高性能パソコン市場に向けて「Core 2 Extreme QX6700」を2006年11月に出荷する。2007年第1四半期には,普及価格帯に向けた「Core 2 Quad Processor」を投入する。Core 2 Extreme QX6700のベンチマーク・テスト「SPECint_rate」の結果は,現行の同等品「Core 2 Extreme X6800」に比べて70%向上する。基調講演ではQX6700の性能を訴求するデモンストレーションとして,3次元グラフィクスを駆使したゲーム・アプリケーションを披露した。

 サーバ機に向けたクアッドコア・プロセサは2006年11月に「Quad-Core Xeon processor 5300」の出荷を始める。2007年第1四半期には「Quad-Core Xeon Processor 3200」を投入する。Quad-Core Xeon 5300のベンチマーク・テスト結果によると,演算性能は現行製品に比べて50%以上改善するという。

 基調講演では,Intel社製マルチコア・プロセサのCPUコアの内部構造(マイクロアーキテクチャ)の今後について一部触れた。2007年後半に設計ルールを45nmに移行するのと同時に,現行の「Coreマイクロアーキテクチャ」から「NEHALEM」と呼ぶ新構造を導入する。さらに設計ルールが32nmに移行する2010年には,「GESHER」を導入するという。GESHERでは単位消費電力当たりの演算性能を,現行のCoreアーキテクチャに比べて300%以上に高めることを目指す。


<訂正>
記事公開当初,第4段落中で「現行の同等品「Core 2 Extreme QX6800」に比べて」としておりましたが,正しくは名称中に「Q」はなく「Core 2 Extreme X6800」でした。現状の本文は直してあります。関係者の皆様,読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びして訂正いたします。