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IP電話から通信サービスまで
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| 図3-1●IP電話ネットワークでVLANを活用 IP電話機がLANスイッチの役割を果たし,フレームにタグを付けて送り出す。 [画像のクリックで拡大表示] |
こうすると,社内ネットワークにつながるパソコンが出すブロードキャスト・フレームは一切,音声用のVLANには届かない。パソコンは頻繁にARPを送出するが,それらがIP電話やIP電話サーバーに届かなくなるので,音声通信の品質劣化を防げるのだ。
企業ネットワークのセキュリティ分野でもVLANが活躍している。その代表が,「認証VLAN」と呼ばれる技術である。
認証VLANは,VLANとユーザー認証を組み合わせた技術である。LANスイッチと認証サーバーが連携し,認証に合格したパソコンだけが社内LANにアクセスできる。こうして不正なユーザーを社内LANに入れないようにする。
認証VLANの方式には,IEEE 802.1X方式とWeb認証方式の二つがある。それぞれの利用例を見てみよう。
認証VLAN機能をうたうLANスイッチの多くが搭載しているのが,IEEE 802.1X方式である。この方式を使った認証VLANの流れを追ってみよう。
LANスイッチのポートにケーブルをつなぐと(図3-2の(1)),パソコンに搭載されているIEEE802.1X用のクライアント・ソフト*2が認証用の画面を出す*3(同(2))。
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| 図3-2●IEEE802.1Xを使った認証VLAN EAPというしくみを使ってユーザー名とパスワードをやりとりし,ユーザーを認証する。認証に合格した時点でユーザーのパソコンがつながるポートにVLAN番号を割り当てる。 [画像のクリックで拡大表示] |
IEEE802.1X認証では,認証情報のやりとりにEAP*4と呼ばれるプロトコルを使う。その際,認証情報の送信にEAPOLフレーム*5と呼ばれるフレームを使う(同(3))。これは,MACフレームのデータ部分にEAPメッセージ(ユーザー名とパスワード)を格納したフレームである。
LANスイッチは,このEAPメッセージを認証サーバーに渡す仲介役を務める。LANスイッチと認証サーバー間のやりとりには,EAP over RADIUSフレームが使われる(同(4))。これは,RADIUSのデータ部分にEAPメッセージを入れたフレームである。LANスイッチは,EAPメッセージをMACフレームからRADIUSパケットに乗せ変えて送るわけだ。
認証サーバーには,ユーザー名とパスワードとともに,ユーザーのVLAN番号が登録されている。認証サーバーはこの情報と,EAPメッセージ内のユーザー名とパスワードと照らし合わせ,このユーザーが正規のユーザーかどうかを判断する。正規のユーザーと認められれば,そのユーザーのVLAN番号をLANスイッチに返信する(同(5))。
VLAN番号情報を受け取ったLANスイッチは,パソコンのつながるポートにそのVLAN番号を割り当てる。するとパソコンは,割り当てられたVLANにアクセスできるようになる(同(6))。
認証VLANは,認証に合格したユーザーだけを社内LANに通すことができるので,不正に持ち込まれたユーザーのパソコンを排除できる。また,LANスイッチのどのポートにつないでも,ユーザーごとに決められたVLANに接続できるのもメリットだ。
Web認証方式を使った認証VLANの例も見てみよう。
基本的な動作の流れは,先に見たIEEE802.1X方式と同じである。LANスイッチが認証サーバーと連携し,ユーザーが認証に合格したら,パソコンがつながるLANスイッチのポートにVLAN番号を割り当てる。
Web認証方式がIEEE802.1X方式と違う部分は,認証情報をやりとりするときに使うプロトコルである。Web認証方式は,そのやりとりにWebアクセスで使われるHTTP*6を使う。パソコンに認証用の特別なソフトをインストールする必要がなく,Webブラウザで認証できるのがメリットだ。
Web認証方式を使った認証VLANの流れも確認しておこう(図3-3)。
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| 図3-3●Web認証を使った認証VLAN ユーザーはWebブラウザを使って認証する。認証に合格したらLANスイッチのポートにVLANを割り当てるのはIEEE802.1X方式と同じ。 [画像のクリックで拡大表示] |
ユーザーがLANスイッチのポートにケーブルをつなぐと,パソコンに仮のIPアドレスが割り振られる(同(1))。ユーザーは次に,Webブラウザを起動してLANスイッチが内蔵しているWebサーバー機能にアクセスする。するとLANスイッチは,認証のための画面を返信する(同(2))。ユーザーはこの認証画面にユーザー名とパスワードを入力して送信する(同(3))。こうして認証情報を,HTTPでやりとりするわけだ。
そのあとLANスイッチは,IDとパスワードをRADIUSパケットに乗せ変えてRADIUSサーバーに送り出す(同(4))。認証に合格したら,RADIUSサーバーがユーザーのVLAN番号を返信する(同(5))。こうしてパソコンは,割り当てられたVLANにアクセスできるようになる(同(6))。