今,Webアプリケーション開発者の間で,あるフレームワークが大変な注目を集めています。オブジェクト指向スクリプト言語であるRubyを使って作成されたWebアプリケーション・フレームワーク「Ruby on Rails」です。略して「Rails」や「RoR」とも呼ばれています。開発者はデンマーク在住のプログラマであるDavid Heinemeier Hansson氏です。現在は彼が属する37Signalsという企業が中心になって開発しています。

 Railsは,2005年に海外で大きな話題を呼び,一大旋風を巻き起こしました。そのおかげで米国ではRuby関連の書籍の売り上げが1年間で15倍以上に増えたそうです。また,2005年8月に開催されたオープンソース・ソフトウエアに関する世界最大のコンベンション「O'Reilly Open Source Convention(OSCON)2005」では,Rails開発者のHansson氏がBest Hacker Awardを受賞しました。

 最近では,日本でもRailsの強力さが認められ,様々な場所で話題になっています。まつもとゆきひろ氏が日本で開発したRubyが,Railsという強力なキラー・アプリケーションを引き連れて日本に“凱旋”したのです。

 Railsはここに示すように,(1)コードを自動生成,(2)設定ファイルが不要,(3)すべての機能がワンセットという三つの画期的な特徴を持っています。

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