作成したタスクをスケジュールに従って自分のパソコンで実行するなら,ここまでで完了だ。このあとは,作成したタスクをLAN上のほかのパソコンに適用する手順を紹介しよう。

リモートのパソコンへタスクを配る


図4 作成したタスクをネットワークを介してリモートのパソコンに適用する
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図5 自分のパソコンで作ったタスクをほかのパソコンにコピーする手順
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 例えば,ipconfigコマンド*をパソコン起動時に自動実行するようにし,その結果をテキスト・ファイルにしてファイル・サーバーに保存するようなバッチ・ファイルを作る。そして,LAN上のすべてのパソコンに配布しておけば,すべてのパソコンのネットワーク設定が記述されたファイルを自動的に収集できるしくみが作れる。

 作業は単純である。作成したタスクをほかのパソコンにコピーするだけだ(図4)。まず自分のパソコンでネットワーク・コンピュータ一覧を表示し(図5(1)),適用したいパソコンのアイコンをダブルクリックする((2))。すると,リモートのパソコンが公開しているフォルダやプリンタと共に,タスクと書かれたフォルダ・アイコンが表示されるので,そこをダブルクリックする((3))。実はこのタスク・フォルダ内には,リモートPCに登録されているタスクが保存されている。

 そこで,自分のパソコンに作ったタスクをリモートPCのタスク・フォルダへ,Ctrl(コントロール)キーを押しながらドラグ・アンド・ドロップする。これで,作成したタスクがリモートPCへコピーされ,リモートPCにタスクが登録される。


アカウントとパスに注意

 タスクをリモートPCに適用する基本作業はこれだけだが,実は事前準備が必要である。リモートPCでタスクを実行するときに使うユーザー・アカウントやバッチ・ファイルをあらかじめ用意しておかなければならないのだ。

 ここでは,NNWというActive Directory(アクティブディレクトリ)ドメイン*に所属するリモートのパソコンへタスクを適用する手順を紹介しておこう。手順は以下のようになる。

(1)NNWドメインに所属するパソコンに,NNWドメインの管理者権限を持つユーザーでログインする

(2)タスクを実行するユーザーがアクセス可能なところ(例えばファイル・サーバーの共有フォルダ)にバッチ・ファイルを保存する

(3)ログインしたパソコン上でタスクを作成する。このとき,No.1の図2(6)で解説したユーザー・アカウントはNNWドメインの管理者権限を持つユーザーにしておく

(4)NNWドメインに所属するリモートPCへ作成したタスクをコピーする

 つまり,タスク・スケジューラに登録するとき,タスクを実行するユーザー・アカウントをリモートPCでも利用できるアカウントにし,リモートPCからアクセスできるところにバッチ・ファイルを保存しておく必要があるわけだ。

 この例に当てはめれば,NNWドメインの管理者権限を持つユーザーとして「NNW¥Administrator」で自分のパソコンにログインして,図2(6)の登録作業のところにもユーザー・アカウントとして「NNW¥Administrator」を入力する。そして,バッチ・ファイルはファイル・サーバー(コンピュータ名はServer)の共有フォルダ(Share)へ保存しておき,No.1の図2(3)の場面で「¥¥Server¥Share¥バッチ・ファイル名」のように登録すればよい。