写真1 [Ctrl]+[Alt]+[↑]で開いているウインドウを画面中央に並べられる。アクティブでないウインドウ(この例では端末エミュレータ)は透明になっている
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図1 /etc/X11/xorg.confファイルの設定。AIGLXを利用できるようにX.Orgの設定を変更する
図1 /etc/X11/xorg.confファイルの設定。AIGLXを利用できるようにX.Orgの設定を変更する
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写真2 XGLとAIGLXの切り替えツール。AIGLXを利用する場合は「Enable AIGLX-Compiz」を選択する
写真2 XGLとAIGLXの切り替えツール。AIGLXを利用する場合は「Enable AIGLX-Compiz」を選択する
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写真3 画像では分かりにくいが「Computer」のウインドウがぷるぷる震えながら移動する
写真3 画像では分かりにくいが「Computer」のウインドウがぷるぷる震えながら移動する
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写真4 Compizの設定ツール。利用する効果(プラグイン)を選択したり,各効果の詳細設定,ショート・カット操作を設定したりできる
写真4 Compizの設定ツール。利用する効果(プラグイン)を選択したり,各効果の詳細設定,ショート・カット操作を設定したりできる
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写真5 各プラグインの設定。「Plugins」をクリックすることで各プラグインの詳細設定が行える
写真5 各プラグインの設定。「Plugins」をクリックすることで各プラグインの詳細設定が行える
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写真6 [Ctrl]+[Alt]+[↓]で,複数のデスクトップが展開されて表示される
写真6 [Ctrl]+[Alt]+[↓]で,複数のデスクトップが展開されて表示される
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[Ctrl]+[Alt]さらにマウスの左ボタンを押しながらマウスをドラッグすると,デスクトップを立体的に切り替えられる
[Ctrl]+[Alt]さらにマウスの左ボタンを押しながらマウスをドラッグすると,デスクトップを立体的に切り替えられる
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 オープン・コミュニティのMomonga Projectが2006年8月14日に公開した「Momonga Linux 3」では,新世代のデスクトップ環境「Xgl」および「AIGLX」を比較的簡単に利用できる(関連記事「Ruby on Railsを標準搭載したMomonga Linux 3」)。

 XglおよびAIGLXは,グラフィックス・カード(またはマザーボード内蔵のグラフィックス機能)のアクセラレーション機能を利用して,三次元効果や透過効果などを用いた描画処理をデスクトップ上で実現する。例えば,ウインドウを半透明にしたり(写真1),ウインドウ関連の処理(ズームイン・ズームアウトや最小化,最大化など)をアニメーションで見せたりできる。

 Xglは米Novell社が開発したデスクトップ環境である。これに対抗するかのようにFedora ProjectとX.Org Foundationが開発したのが,もう一方のAIGLXだ。いずれも,X Window System(以下,X)の機能を拡張することで,高機能な描画処理を実現しており,今後のLinuxデスクトップに組み込まれることが期待されている。

 Momonga Linux 3にはいち早く,XglとAIGLXが組み込まれている。ただし,Momonga Linuxをインストールしただけでは利用できず,必要なパッケージ(ソフトウエア)のインストールと設定を行う必要がある。ここでは,その方法を説明する。

グラフィックス・カードに注意する

 パソコンに搭載されているグラフィックス・カードによっては,XglやAIGLXの機能が利用できない。利用可能なグラフィックス・カードについては,Gentoo Linux Wikiなどで確認できる。Momonga Linux 3の開発用Wikiページでは,「ATI Radeon7000」,「ATI Radeon9000」,「ATI Radeon9600」で動作したことが報告されている。また,編集部にあるインテル810チップセット搭載パソコンでも動作が確認できた。ただし,著者の手元にあった「NVIDIA GeForce FX5200」では正常に動作しなかった。ここでは,インテル810チップセット搭載パソコンでの導入方法を説明する。

動作に必要なパッケージを導入する

 まず,XglおよびAIGLXを利用するのに必要なパッケージを次のように導入する。

$ su
# yum install xorg-x11-server-Xgl compiz momonga-xgl-settings

 続いて,X.Orgの設定を変更する。管理者権限になり,テキスト・エディタで/etc/X11/xorg.confファイルを開いて編集する(図1)。まず,「Section "ServerLayout"」に「Option "AIGLX" "true"」を,「Section "Device"」に「Option "XAANoOffscreenPixmaps"」を追加する。また,設定ファイルの最後に次の内容を追記する。

Section "Extensions"
    Option "Composite" "Enable"
EndSection

 設定が完了したら,XglまたはAIGLXが機能するように設定する。「アプリケーション」メニューの「システムツール」-「Xgl設定」を選択し,設定ツールを起動する(写真2)。AIGLXを利用したい場合は,「Enable AIGLX-Compiz」を選択して,「OK」ボタンをクリックする。すると,Xを再起動するかを聞かれるので,「OK」をクリックする。

 これで,AIGLXが有効になる。再度ログインしてから,試しに「コンピュータ」のアイコンをダブル・クリックしてウインドウを開いてみよう。そのウインドウをドラッグすると,ゼリーのようにウインドウが“ゆれながら”移動する(写真3)。

Compizをカスタマイズする

 画面を回転させる,ウインドウを透明化する,ウインドウが最小化されるときに吸い込まれるような効果を加える,などといった効果は,XglやAIGLXと同時に動作するウインドウ・マネージャの「Compiz」で設定できる。

 Compizの設定は,「デスクトップ」メニューの「設定」-「Compiz Settings」を選択して開いた画面で行う。メイン・ダイアログ(写真4)の左側にあるプラグイン一覧では利用したい効果を選択できる。各効果は,プラグインで提供されており,それの有効/無効をチェックすることで,与えたい効果を指定できるわけだ。また,「Number of viewports」では仮想デスクトップの数を指定できる。

 「plugins」をクリックすると,プラグインごとの設定が行える(写真5)。例えば,「cube」では三次元デスクトップの色や画像,背景の画像などを,「decoration」ではウインドウ枠の透明度などを設定できる。

 最後に,操作方法を簡単に紹介しよう。写真1で紹介したように,[Ctrl]+[Alt]+[↑]で開いているウインドウを画面中央に並べられる。[Ctrl]+[Alt]+[↓]で,複数のデスクトップが展開されて表示される(写真6)。[Ctrl]+[Alt]さらにマウスの左ボタンを押しながらマウスをドラッグすると,デスクトップを立体的に切り替えられる(写真7)。

Momonga Linux 3のインストール・ガイドは,こちらから