今回は,GUIツールキットの現状を紹介する。また,MySQL日本法人の活動紹介として,先日開催されたMySQLセミナーをレポートする。
MySQL GUI Tools
MySQLには,GUIツールとして4つのツールを提供してきた。この度,これらをMySQL GUI Toolsという名前で一つにまとめた。各ソフトウエアが,一つのソフトウエアにまとまったのではなく,一つのインストールファイルにまとめられた。
表1●MySQL GUI Toolsの内容
製品名およびバージョン | 役割 | MySQLウォッチでの登場回 |
---|---|---|
MySQL Administrator 1.2.2 Beta | MySQLサーバの管理 | 第6回 |
MySQL Query Browser 1.2.2 Beta | データの参照および加工 | 第9回 |
MySQL Migration Toolkit 1.1.2 Beta | Oracleなどの他のDBからのマイグレーションツール | 第17回 |
MySQL Workbench 1.1.2 Alpha*Technology Previewリリース | DB設計ツール | 第20回 |
例えば、Windwos版の場合,デフォルトインストールを実行すると4つのソフトウエアがすべてインストールされる。インストーラで,カスタムを選択するとインストールを行うソフトウエアを選択できる。
画面1●MySQL GUI Tools インストール カスタム
なお,各ツールのバージョンや状況はバラバラだ。このようにインストールファイルが一体化したことで,GUIツールをインストールする際に簡単になったのだが,個別のツールのバージョンを選択できなくなった。いまのところ,大きな問題はないのだが,ユーザーがバージョンを選択できるのがオープンソースのいいところでもある。それができない場合,バージョン固有の問題が発生したときに逆に不便になるのではないかと思う。
また,MySQL Migration Toolkit は,Windows版のみなので,Linux や MacOSXには収録されていない。
MySQLセミナーに見る日本法人の活動
海外のプロダクトが国内に登場してから,爆発的に普及するまでには様々なステップがある。その重要なステップの一つが日本法人の設立だ。MySQL日本法人(MySQL KK)は,長い準備期間を経て本年2月1日に設立された。現在は,3人のスタッフで活動している。筆者を含め多くの関係者が日本法人に対し大きな期待をかけている。
今回紹介する「MySQL セミナー」は,設立直後の本年3月に開催され,今回で2回目となる。第1回目では,MySQL KKそのもの説明などが多かった。第2回目となる今回は,ユーザー事例,パートナー活動,メーカー動向と多方面にわたる内容となった。各セッションを簡単に紹介しよう。
まずMySQL KK Directorの竹森 淳氏が最近のMySQL ABの活動を紹介した。現在,MySQL ABは,社員数約350名,23カ国に拠点をもっており,社員の70%がSOHOスタイルで活動している。MySQLの1日のダウンロード数は,6000となり,累計ダウンロード数は,1000万を突破したという。
写真1●MySQL KK OEM Sales Director 竹森 淳氏
また,竹森氏は,アジア全体の統括を担当しており,日本を含むアジア各国のリセーラ数を報告した。
表2●アジア各国のMySQLリセーラ数
国名 | リセーラ数 |
---|---|
日本 | 15 |
韓国 | 6 |
中国 | 2 |
シンガポール | 1 |
香港 | 1 |
マレーシア | 1 |
台湾 | 1(調印中) |
中国パートナーのうち,1社はTurbolinuc Chinaである。
ミクシィ 取締役CTO Batara Kesuma氏は「scaling out with open source」と題しMySQLの活用事例を報告した。