視聴者が関心を持ったデータ放送の内容や詳細情報を提供する通信サイト(2次リンクコンテンツ)のアドレス(URI:uniform resource identifier)を,ユーザーが端末のボタンを押すことによって記録できる機能。Webブラウザなどで「お気に入り」にアドレスを登録する機能に類似する。

 テレビリンクがWebブラウザの「お気に入り」機能と異なる点は,現在見ているページのURIを記録するのではないところ。データ放送コンテンツにあらかじめ仕込んだ“番組に関連する情報を提供する通信サイトのアドレス情報”を,ユーザのボタン押下に伴って受信機内のNVRAMに記録する。

 ワンセグ放送におけるテレビリンクサービスの流れは以下の通りである(図1)。


図1 テレビリンクのサービスイメージ
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(1) 放送局が通信サイトへのテレビリンクを提供する場合,データ放送コンテンツ上にあらかじめ「テレビリンク」ボタン/アイコンを用意し,番組編成にしたがって「テレビリンク」ボタン/アイコンを表示する。

(2) 視聴者は番組視聴中に関心を持った情報があった場合,「テレビリンク」ボタン/アイコンがあるデータ放送コンテンツからこのボタン/アイコンを押下し,テレビリンクの記録を指示する。

(3) テレビリンク情報を記録するためのデータ放送コンテンツは,関連情報を提供している通信サイトのURIやタイトル,有効期限や放送局情報(Network ID,Servide ID)などをNVRAM内テレビリンク領域に登録する。

(4) 視聴者は,ワンセグ受信機の「テレビリンクリスト」機能を呼び出し,テレビリンクリスト画面から所望する情報を指定し,携帯サイトの通信コンテンツを閲覧する。

 テレビリンク機能は,固定テレビ用データ放送(Aプロファイル)とワンセグ用データ放送(Cプロファイル)において,機能が異なる(Aプロファイル,Cプロファイルについてはワンセグの理解を深めるキーワード解説 の「BML」を参照)。

 固定テレビ向けとワンセグ向けのテレビリンク機能には,以下の2つの大きな違いがある(表1)。

(1) 固定型テレビの「テレビリンクリスト」はデータ放送コンテンツで提供するが,ワンセグでは受信機機能として提供する(ワンセグ受信機必須搭載機能)。なお,固定テレビ用のテレビリンクリスト表示機能は,受信機機能として提供することも可能である(商品企画)。

(2) 登録したテレビリンクへの画面遷移は,固定型テレビでは受信機機能とデータ放送からの遷移の組み合わせがある。一方,ワンセグでは受信機機能としてテレビリンクリストを表示しているため,受信機機能を利用してテレビリンクに登録されている通信サイト(携帯サイト)へ遷移する。

表1 CプロファイルとAプロファイルのテレビリンク比較
テレビリンク機能Cプロファイル
(ワンセグ)
Aプロファイル
(固定テレビ)
NVRAMテレビリンク用領域 ・1件あたり最大256バイトの可変長ブロック
・50以上のブロック数
・1件あたり最大320バイトの可変長ブロック
・50以上のブロック数
書き込み データ放送(BML)コンテンツ データ放送(BML)コンテンツ/受信機アプリケーション(オプション)
読み出し 受信機アプリケーション 受信機アプリケーション/データ放送(BML)コンテンツ
リスト表示/リンク先への遷移 受信機アプリケーション 受信機アプリケーション/データ放送(BML)コンテンツ

参考文献:ARIB TR-B14 2.7版/2.8版 地上デジタルテレビジョン放送運用規定