この件に問題があると思った人は,私のほかにもいるだろうか?あるニュース・サイトに,以下のような記事が掲載されていた。

 「ドイツのニュース雑誌によると,欧州で約30の企業と研究機関が,ハイジャック犯から航空機の制御を取り戻すための遠隔操縦ソフトウエアを開発中という」

 「土曜日に公表されたドイツDer Spiegel誌(翌月曜号)の抜粋記事には,このシステムは『地上からのみ操作可能で,否応なしに問題の起きている航空機を最も近い飛行場に誘導する』とあった」

 「この抜粋記事には,『ハイジャック犯は自分の目的地に到達できなくなる』と書いてある」

 目的地に着けないとしても,航空機のハイジャックはなくならない。

 航空機用の遠隔操縦ソフトウエアを設計すると,搭乗すらせず乗っ取れることになりそうだ。こうした事態を防ぐために,間違いなくコンピュータ・セキュリティが導入されるだろう。しかし我々はみな,過去にこの種の取り組みがどれほど効果的であったかをよく知っている。

 「そのような事態を想定してシステムを設計するので,コンピュータ・ハッカーが飛行機に乗っていても,セキュリティ対策は出し抜かれない」

 でも,地上にいるハッカーは想定しているのだろうか?

 「航空機用の遠隔操縦ソフトウエアは悪いアイデア」と書くつもりはない。おそらくよいアイデアだろう。ところがこのセキュリティ対策は,全く新しいセキュリティ・ホールを生み出す。誰かにこのセキュリティ・ホールを研究してもらいたい。

http://cooltech.iafrica.com/technews/757570.htm

Copyright (c) 2006 by Bruce Schneier.


◆オリジナル記事「Remote-Control Airplane Software」
「CRYPTO-GRAM August 15, 2006」
「CRYPTO-GRAM August 15, 2006」日本語訳ページ
「CRYPTO-GRAM」日本語訳のバックナンバー・ページ
◆この記事は,Bruce Schneier氏の許可を得て,同氏が執筆および発行するフリーのニュース・レター「CRYPTO-GRAM」の記事を抜粋して日本語化したものです。
◆オリジナルの記事は,「Crypto-Gram Back Issues」でお読みいただけます。CRYPTO-GRAMの購読は「Crypto-Gram Newsletter」のページから申し込めます。
◆日本語訳のバックナンバーは「Crypto-Gram日本語訳」のページからお読みいただけます。
◆Bruce Schneier氏は米Counterpane Internet Securityの創業者およびCTO(最高技術責任者)です。Counterpane Internet Securityはセキュリティ監視の専業ベンダーであり,国内ではインテックと提携し,監視サービス「EINS/MSS+」を提供しています。